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長井朋子 展:子供と梟と灰色ネコもキラキラの日曜日
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2008年 10月 27日

《オリーブブラウンの世界を呼びに行こう》(2008)、oil on canvas 131.0 x 162.0 cm copy right(c) 2008 Tomoko Nagai, Tomio Koyama Gallery

長井朋子は、永遠の少女性とも言うべきモチーフを散りばめた壮大な物語世界を、画面いっぱいに描きます。熊や猫、羊、馬などたくさんの動物たち、幼い少女や奇妙な架空の生き物、色とりどりの木々やキノコが、クラシックバレエの舞台背景のようにも見える劇場的空間の中に、おもちゃ箱をひっくり返したようなにぎやかさで溢れ出します。作家自身が子供の頃によくしていたという人形遊びを彷彿とさせる装飾的なインテリアから、童話の絵本に出てくるような暗い森、あるいは宇宙空間まで、作家の空想はどこまでも広がっていきます。 絵画平面にとどまることなく、近年インスタレーションにも挑戦する長井は、自分だけの「人形の家」を懸命に作り上げているかのようです。ふわふわのフェイクファー、輝くシャンデリア、人形の動物たち、美しい鏡、トランプや世界地図—さまざまな小道具が作家の演出によって自由に配置され、私たち鑑賞者が扉を開けて入ってくるのを、じっと待ち受けているのです。 【この展覧会について】
小山登美夫ギャラリーでの初の個展となる本展では、大ペインティング10点に加え、小ペインティングとドローイング多数を出展致します。また、作品の世界から飛び出して来たような、様々なヴァリエーションのドールハウスや、家族の肖像写真を入れておくようなデコラティウ゛なフレームに入ったドローイング、小さな人形たちのインスタレーションも展示されます。 また、長井が参加するトーキョーワンダーサイト本郷で11月22日から行われる、<ヴィック・ムニーズ・キュレーションによるブラジル・日本アーティスト>展に合わせ、TKG エディションズでは<ドローイング 展>も行います(2008年11月22日 - 12月13日)。 【作家プロフィール】
長井朋子は1982年愛知県生まれ。2006年、愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業。現在、東京を拠点に制作活動を行っています。2006年のトーキョーワンダーウォールにて入選、その後の主な展覧会に「バラも馬に歌にミドリも庭」(トーキョーワンダーサイト本郷、東京、2007年)、「Project N33」(東京オペラシティアートギャラリー コリドール、東京、2008年)などがあります。11月22日から2009年3月1日まで、トーキョーワンダーサイト渋谷で開催されるブラジルのアーティスト、ヴィック・ムニーズによる個展と同時開催で、ヴィック自身のキュレーションによるグループ展にも出展致します。
※全文提供: 小山登美夫ギャラリー

最終更新 2008年 11月 01日
 

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