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セシル・アンドリュ 展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 4月 08日

Copyright © Cécile Andrieu
画像提供:ギャラリー現

作家コメント
沈黙が共鳴する空間
言葉は人間の特性です。言葉は我々が形成するものであり同時に我々を形成するものです。そのために、リアリティに耳を傾け我々の存在を問い続けようとする時、言葉に慣れ親しんでいればいるほど、言葉には細心の注意を払わなければなりません。

これは9 0 年代以降変わらない私の考えです。私は制作において、我々の深奥に働きかけ自己とその外部に未踏の世界を見いだす手がかりを提供するために、言葉が内に秘める新しい可能性を常により鋭く開発しようとしてきました。

今回は、フランス語日本語をはじめ様々な言語の辞典を利用しました。
辞典のひとつの特徴は、登録されている言葉が詩や学術論文や声明などあらゆる文章構成に「開いて( open )」いることです。そして使われた言葉
自身も様々な解釈や使い方に「開いて(open)」います。
私はこの「開放性」を増幅させようとしました。辞典の全ページはシュレッダーにかけて截断され、その断片は細かい 孔のあいたパネルの間に詰め込まれています。言葉を同定し再認しようとする試みも、文章を構成しようとする試みも すべて出し抜くためです。しかし私は、断片化された言葉を最大の「あいまいさの暈」で覆うことで、言葉の暗示性が 極度に高まり、規範を超えた新たな響きが鑑賞者の心の奥底で生まれることを願ってもいるのです。 今回の作品群は目とともに耳にも働きかけるように構想されています。作品はそれぞれ独立していますが、他の作品と 対話しつつ、「沈黙が共鳴する空間」を形作っています。静かに耳を傾けてくだされば幸いです。

セシル・アンドリュ Cécile Andrieu
1956年 フランス 生まれ。1982年日本政府文部省留学生として来日し、日本文化美術を学ぶ。おもな展覧会 ギャラリー現 個展(’90,91,92,95,97,02,05,08)、ギャラリーHam 名古屋 個展(’94,97,02,06,09)、かわさきIBM 市民市民文化ギャラリー個展1999、「CULTURE 2 / カルチャーカルチャー」富山県入善町下山芸術の森、発電所美術館2010、越後妻有トリエンナーレ2006, 海外では フランス、ベルギー、チェコなどで発表。石川県金沢市在住

※全文提供: ギャラリー現


会期: 2011年4月11日(月)-2011年4月23日(土)
会場: ギャラリー現

最終更新 2011年 4月 11日
 

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