いま、鴨居羊子の駆け抜けた 前衛芸術の時代を振り返るということ 昭和29年、大阪で新聞記者から下着デザイナーに転身した鴨居羊子。最初の下着の個展をデパートの通路で開催し、チュニカショーとして下着のショーを映画館などで開催した。このショーは当時の前衛芸術家たちも参加して、斬新なものであったという。白いメリヤス下着しか無かった時代に、カラフルなナイロンの下着を作り、金髪に髪を染め下着から女性の意識革命を行なったと言われることも多かった彼女。様々な下着を作り、ココッティ、スキャンティなど名前をつけ、後に絵も描き、旅に出、料理も作り、数多くのエッセイも出版した。旺盛でいてナイーブ、その原点はモノを作ることが好きで、犬や猫を愛するように全てに純粋に愛情を注いだ姿が思い浮かぶ。
本展では、鴨居羊子の初期の下着、彼女が描いた絵画、デッサンなど数十点のほか、彼女自身が撮影した猫たちの写真、人形、文章、様々なことを手がけた鴨居羊子の創作の原点を前衛の時代から探る。また、『下着ぶんか論』の出版を見守るなど親交のあった岡本太郎が撮影した写真、細江英公、井上博道らが撮影した写真も展示する。2010年・川崎市岡本太郎美術館で開催し、芸術新潮(2010年6月号)で特集されるなど大きな反響を呼んだ「前衛下着道展」をベースに、一部展示内容を変えるとともに、関連イベントである劇団唐ゼミ☆のチュニカショーも、さらに会場を舞台に見立てて展覧会場で演劇とショーを展開するという形に進化する。
鴨井羊子 かもい ようこ 1925 大阪府豊中市に生まれる。本名は洋子。 1949 父・悠、死去。新関西新聞入社。 1951 大阪読売新聞入社。 1954 大阪読売新聞退社。下着制作を開始。 1955 チュニック制作室COCO設立。「W.アンダーウェア展」(大阪そごう)開催。 1958 下着ショウ「チュニカ・ミュージカルショウ」(梅田松竹シネマ)上演。 『のら犬のボケ』(創元 社)、『下着ぶんか論』(凡凡社)出版。 1966 細江英公撮影の『ミス・ペテン』を自費出版。 1973 『わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい』(三一書房)出版。 1985 弟である画家・玲が死去。 1991 脳溢血のため死去。
近年の主な展覧会 2001 「鴨居玲と羊子展」神戸・さんちかホール 2006 「鴨居羊子の世界展」長崎県美術館 2010 「前衛下着道 鴨居羊子とその時代展」川崎市岡本太郎美術館
オープニングレセプション&唐ゼミ☆公演 5月14日(土)17:30 - 20:00 展覧会開催を祝し、オープニングレセプションを開催します。あわせて、唐ゼミ☆が唐十郎作 「恋と蒲団」を会場内で公演!この機会にぜひご来場下さい。<入場無料、予約不要>
唐ゼミ☆ 演劇公演 オープニングレセプション以外の時間帯にも、唐十郎作 「恋と蒲団」を会場内で公演します! 〈予約不要〉 5月14日(土) 15:00~ 5月15日(日) 15:00~、 18:00~ 公演時間 約40分 ※公演中は入場を制限させていただく場合があります ※公演中は鴨井羊子の映画「女は下着でつくられる」は休止させていただきます
ギャラリートーク 鴨居羊子の作品と本人の思い出 本展キュレーター 室井絵里によるギャラリートークを実施します!〈予約不要〉 5月15日(日) 13:30~ 5月29日(日) 13:30~、18:00~ 6月11日(土) 14:00~ 6月12日 (日) 14:00~
※全文提供: 三菱地所アルティアム
会期: 2011年5月14日(土)-2011年6月12日(日) 会場: 三菱地所アルティアム
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