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細江英公:写真絵巻とフレスコ画の時を越えた出会い~イタリア・ルッカ
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 3月 11日

画像提供:ときの忘れもの

昨年の文化功労者に選ばれた写真家・細江英公の新作による〈ヴィッラ・ボッティーニ〉12点を発表します。

イタリアのルッカにある16世紀の貴族の館を舞台に、ルネサンス期のフレスコ画と21世紀の細江作品との息詰まるような「対決と融合」の瞬間を捉えた写真作品です。

2009年11月の細江英公展の会場となったヴィッラ・ボッティーニは天井や壁面にフレスコ画が描かれた邸宅で、その絢爛たる空間に、総延長120mにわたり、細江先生と日本の職人チームが日本的伝統美の粋をこらした赤・青・緑の壁面をしつらえ、〈おとこと女〉〈薔薇刑〉〈鎌鼬〉〈ガウディの世界〉〈春本・浮世絵うつし〉他の代表作の絵巻、軸、屏風を展示しました。

ヨーロッパの壮大な古典的建築空間と、和の色彩世界の対決と融合は、カラー作品でなくては表現できなかったでしょう。撮影は2009年ですが、発表するのは今回が初めてです(ヴィンテージ)。ホームページに掲載した12点の画像はいかにもけばけばしい感じですが、実物作品の瑞々しい、したたるような美しさには思わず溜め息が出ます。

ときの忘れものは写真家の新作ポートフォリオを発表したいというのが夢でした。発表価格は従前では考えられないほどの廉価です。特大サイズ(20×24インチ、44×56cm、マットサイズ:60.5×76.0cm)で、出力ではなく、印画紙へのType-C print(カラー写真)という仕様は、若い人たちでも額付15万円(シート126,000円)で買えるという私達の希望をかなえてくださった細江先生の厚意によるものです。価格はステップアップ方式ですので、お早めにお申し込みください。

細江英公 Eikoh HOSOE
1933年山形県に生まれる。50年英語を学ぶため米軍居住地に通い、アメリカ人の子供たちを撮影。51年第1回「富士フォトコンテスト」で最高賞を受賞し、写真家を志す。54年東京写真短期大学(現・東京工芸大学)写真技術科卒業。デモクラート美術家協会の瑛九と出会い、強い影響を受ける。56年銀座・小西六フォトギャラリーにて初個展。59年「VIVO」の設立に参加(61年解散)。60年日本写真批評家協会新人賞、富士フォトコンテスト年間作家賞受賞。63年写真集『薔薇刑』で日本写真批評家協会作家賞受賞。70年写真集『鎌鼬』で芸術選奨文部大臣賞受賞。75年東京写真大学短期大学部(現・東京工芸大学)の教授となる。82年全米とパリで個展開催、パリ市賞受賞。83年アルル国際写真フェスティバル名誉賞受賞。94年東京工芸大学芸術学部教授に就任。日本写真協会年度賞(93年)受賞。95年清里フォトアートミュージアムの初代館長に就任。98年東京工芸大学芸術学部(2003年で定年退職)及び大学院芸術学研究科(修士)課程教授に就任(02年博士課程教授に就任)。紫綬褒章受章。03年ロンドンにて英王立写真協会創立150周年特別記念メダル受章。06年日本人初のルーシー賞(アメリカ)受賞。07年旭日小綬章叙勲。2010年文化功労者に選ばれる。

※全文提供: ときの忘れもの


会期: 2011年3月18日(金)-2011年4月2日(土)
会場: ときの忘れもの

最終更新 2011年 3月 18日
 

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