千田哲也 展 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 3月 09日 |
千田哲也(ちだ てつや)は2007年、多摩美術大学絵画科を卒業。 彼の絵画は人の頭部が肥大化し、意味不明な形となって出現している作品が多い。 この意味不明な頭部は解釈や理解を拒否、アクセス不能。あるいは自己の不在化、 空っぽの自分。現実と非現実の二重の現実が同時進行している日本の若い現代人 を象徴しているかのようだ。文脈を失ったかのような物語に不思議と魅了される。 作家コメント コンピュータゲームにおけるプレーヤーキャラクターの死。 それは、あらためて自身とプレーヤーキャラクターの違いを感じさせられる瞬間でもある。どんなにゲームに没入し、キャラクターに自身を重ねても現実の 自分は当然死ぬことはないのだ。 そして、プレーヤーキャラクターの死は、我々にとっては「終わり」ではない。 ゲーム機の前を離れても、 現実の生活が続いていくし、コンテニューをして再びゲームを続けても、また何人目かのプレーヤーキャラクターがそこには現れる。 そのことをテーマに描いたのが「GAME OVER GIRL」 シリーズだ。 ゲームでは、映画のように完全に傍観者では無い、少なからずプレーヤーキャラクターを通し世界にアクティブに介入する。 しかしその体験は完全な私自身の体験では無い。 モンスターと戦ったのは私ではなく、ゲームのキャラクターだ。客観的には、ひとつのゲームをプレイしたという体験でしかないのだ。 その奇妙な感覚をテーマに描いたのが「MONSTER SWEEPER」 シリーズだ。 モンスターとの戦いを描いた一見ゲームのような図像である。 しかし図像中の人物の体は、作者自身をモチーフに描いている、それは本来ゲーム画面には映らないモニターの向こう側の身体である。 千田哲也 個展 グループ展 受賞 ※全文提供: Gallery Q 会期: 2011年3月14日(月)-2011年3月19日(土) |
最終更新 2011年 3月 14日 |