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ジャック・サリュー:フォトジェニックな線~クリシェ・ベール~
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 3月 05日

画像提供:ルーニィ247フォトグラフィー
Copyright © Jack Sal

ニューヨーク在住の作家、ジャック・サリューさんの主に80年代に制作されたクリシェ・ベール作品をご紹介いたします。クリシェ・ベール(cliché-verre)とは、1853年にフランスのバルビゾン派の画家たちが下絵を写すためにもちいていたものを指します。カメラを使わず、紙やガラスに描いたものを印画する、版画のような写真の技法です。

カメラには、記録的な一面があり、芸術としての側面を追求しようとしても、そこに必ず「世界」あるいは「社会」が入りこんでしまう。ジャック・サリュー氏は、写真から社会性というコンテクストを解放した写真作品を制作しようとクリシェ・ベールの手法を用いました。

なによりもジャック・サリュー氏の作品の魅力は、素朴な美しさにあります。薄い紙に、インクや絵の具、チョークをつかって、線や点を描き、それをネガにしてプリントします。彼の手から生み出された線は、軽快なリズムを刻み、自由を感じます。デジタル全盛の昨今において、彼の作品の原始的な身体性は、過激ですらあり、新鮮な驚きを私たちにあたえてくれます。

日本でジャック・サリュー氏のまとまった作品を紹介するはじめての機会。2011年もっとも見るべき展覧会のひとつです。

Jack Sal:Artist / Writer
アメリカを拠点に、ドイツ、イタリア、ロシアなどヨーロッパにて、個展多数。2011年は、京都のイタリア文化院、大阪のsoho galleryにて、インスタレーション作品の展覧会が開かれる予定。

※全文提供: ルーニィ247フォトグラフィー


会期: 2011年4月5日(火)-2011年4月17日(日)
会場: ルーニィ247フォトグラフィー

最終更新 2011年 4月 05日
 

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