| EN |

成山亜衣 展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 3月 03日

画像提供:Oギャラリーeyes
Copyright© Ai Nariyama /O Gallery eyes.

作家コメント
些細な違和感から浮上する疑問について考えるエネルギーと時間をもっと意義ある事に使っていたら私の人生変わっていたと常々思う。
だが一方で、今までの年月無駄だらけだったと思いたくない私は、何かしらの意義を見いだそうと、日々次々と流れ去るゴミくずの様な違和感をひとつずつ開け、整理し続ける事を辞めない。
今までの愚問リストを見て思うことは、問いに対しての答えが、年月を重ねる事によって変化し、まるで生き物の様だという事だ。
今その中でも成長株なのが、恋愛・結婚についての項目だ。本当に不思議に思う事が多く、問いは増えるわ、答えは変化するわで、全く収拾がつかない。
何を考えていたのかしら?と根本的な所でつまずく問いも多々あるが、そう謂う問いは時より私に、戸惑いや困惑といった刺激を与える。
貴方は、「私達の中に必ずあったロマンスは一体何処へ行ってしまったのか?」と謂う問いに対して、何の戸惑いも感じないだろうか?
今や、ゲームでさえ恋愛する事が可能な時代に、あえて言うまでもないが、「はい、ここにあります。」と即答出来ないのが当然であると考えつつも、私は唖然としてしまった。もはや、私達はロマンス=幻想 ロマンス=非現実だとさえ考えている。しかし、サンタや妖精や魔法のたぐいでは決してない。現実に存在するはずだが、いつしか人は、ロマンスを不必要なモノと認識し、排除してしまった。行き場を失ったロマンスは、頭上にすら浮遊していない。
勿論私は、自分自身に起こりうるロマンスだけに思い馳せるのではなく、私の周りの人々自身の中にあるロマンスや、人や事柄に出会った時のロマンスを見たいのだが、私の周りは条件付きの恋愛や結婚が主流で、その様々な条件を耳にする度に、人の中に存在するロマンスを感じる事が出来ないのだ。 私達大人は条件なしに人や事柄を受け入れる事は出来ないのか?
レンガで頭をどつかれた様な衝撃や突然BGMが流れてしまう様な、人や事柄の出会いを期待するのは、もはやタブーなのか?
そんな事を考えながら、絶滅危惧種のロマンスが引っ掛からないかと網を持って町をさまよってしまう。
「現実を見なさい、ロマンスだけでは生きてゆけないわ」
「負担になるだけ、早く捨てなさい」と貴方は言うかもしれない。
でも、私が考えている事は少し違っていて、ロマンスを深く吸いながら、現実の中を歩いて行くのは不可能なのか疑問に思っているだけなのである。
ロマンスは、どういう形で人の中に存在するか、どうして今と昔では形が変化したのか不思議でならない。
貴方は少女漫画の様な事を言っていると笑いますか?
私は、そんな事を軸に制作しています。

成山亜衣
1983 大阪府生まれ
2007 京都嵯峨芸術大学造形学科版画分野卒業
2009 京都市立芸術大学大学院版画専攻修了

個展
2010 Oギャラリーeyes(大阪)

グループ展
2005 第30回全国大学版画展(町田市立国際版画美術館・東京)
2006 第31回全国大学版画展(町田市立国際版画美術館・東京)
Art Com 2006(私のしごと館・京都)
Open Studio Program! 2006(京都嵯峨芸術大学・京都)
thinking print vo.1(京都嵯峨芸術大学・京都)
2007 Porto di Stampa(アートゾーン神楽岡・京都)
Dreaming(アートコンプレックス・センター・東京)
2008 thinking print vo.3(京都嵯峨芸術大学・京都)
2009 トゥールビヨン7(Oギャラリーeyes・大阪)
AMUSU ARTJAM 2009 in kyoto(京都文化博物館・京都)
気持ちの奥にあるものPresent Spirit(gallery morning・京都)
2010 未来は僕らの手の中(Oギャラリーeyes・大阪)

パブリックコレクション
京都嵯峨芸術大学版画研究室

※全文提供: Oギャラリーeyes


会期: 2011年3月7日(月)-2011年3月12日(土)
会場: Oギャラリーeyes

最終更新 2011年 3月 07日
 

関連情報


| EN |