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寺林武洋展  -LIFE-
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 2月 22日

《台》
油彩,白亜地,パネル|652×380mm(変型15号)
画像提供:Yoshimi Arts
Copyright © Takehiro Terabayashi

寺林武洋は、一瞬の感情的高揚に没入するのではなく、醒めた手つきと眼差しによって室内風景を記述する。それは、われわれの日常的な風景や現実を反復することによって、現実を異化にする。

ITの進化によって、一般的に私たちの仕事や私生活の時間は無限に広がっています。それは、データストレージさえあれば時間(決断)を無限に先延ばしできるようになっているからです。 しかし、美術や建築、演劇のように現実の物質や空間、身体を使う芸術は作品としての物を成立させる為に身体に根ざした決断が強いられるのです。

絵画の制作とは、作家の現状においての膨大なデータの中から選択された切断面を、絵画として成立させるために、身体によって行われます。

作家が選択した切断面から、身体による制作という物理的な条件が制約に加わる絵画制作は、社会のITの進化によって、相対的または逆説的に価値が発すると考えられます。

寺林武洋が、今展で発表する作品群は主に自分の家の中や周囲にあり、普段生活で使用している物を描写しています。現在多くの作家が作品の制作にあたって写真などメディアを活用する場合が多いですが、寺林は一貫して対象の前に立ち自身の眼を通し作品を描いております。寺林と対象の間には時間が存在せず、感情や物語等が存在する時間はありません。

工学主義的に物を消費する現在の社会において、寺林が描く作品は記号消費と衣食住の境が曖昧になり一種騙し絵的に見えますが、この感覚は、現代社会のリアリティーの視点の一つと言えるのではないでしょうか。

寺林 武洋 Takehiro Terabayashi
1981 富山県に生まれる
2002 第55回示現会展 入選(東京都美術館 同03 佳作賞)
2003 長岡造形大学視覚デザインコース選抜展(ガーディアン・ガーデン) 第5回雪梁舎フィレンツェ賞展 佳作賞(雪梁舎美術館)
2004 長岡造形大学造形学部視覚デザインコース卒業 第80回白日展 入選(東京都美術館) 「展望」展 土屋文明と野田教室生展+(画廊喫茶孔雀荘)
2005 「光の肖像」展(広島市立大学芸術資料館 同06,08) 第44回北陸中日美術展 入選(石川県立美術館) 「展望」展 描かれたものたち(画廊喫茶孔雀荘)
2006 広島市立大学大学院芸術学研究科絵画(油絵)専攻修了 第82回白日展 白日賞 会友推挙(東京都美術館) 第6回RUBICON展(東邦アート、天満屋広島八丁堀店 同~10) 展望5人展(ギャラリーニケ)
2007第83回白日展 準会員推挙(東京都美術館) 花のこころ、美の輝き展(財団法人しぶや美術館) 「思い出の風景」・「バラ」を描いた絵画展(天満屋福山店)
2008 第84回白日展(国立新美術館) 石田淳一・寺林武洋2人展 個展(gallery元町) 寺林武洋・廣田真知子・藤田貴也3人展(近鉄上本町店) 白日 星の会(田島美術店AOYAMA、丸栄スカイル アートしん 同09)
2009 第85回白日展 会員推挙(国立新美術館) 湧の会 新鋭作家選抜展(池袋東武) カオの形・貌展(ギャラリーニケ) 4Stories(神戸アートマルシェ/吉美画廊booth) 4Stories(吉美画廊) Realism Children HAKUJITSU 白日会の若き俊英たち(松坂屋本店)
2010 第86回白日会展(国立新美術館) 人間風景展(あらかわ画廊) 小田志保・寺林武洋 二人展 -Real―(Selected Artist of Gallery in Kyoto/吉美画廊booth) Yoshimi Arts opening exhibition“0+”(Yoshimi Arts) Yoshimi Arts opening exhibition“0+”@KAM(神戸アートマルシェ/Yoshimi Arts booth)

※全文提供: Yoshimi Arts


会期: 2011年4月11日(月)-2011年5月1日(日)
会場: Yoshimi Arts
アーティスト レセプション: 2011年4月15日(金)18:00 -
※作家在廊:4月15日(金)・16日(土)

最終更新 2011年 4月 11日
 

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