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三沢厚彦:Meet The Animals-ホームルーム
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 2月 15日

《Animal2010-03》2010年
2980×2490 ×3060mm|樟・油彩
画像提供:京都芸術センター
Copyright© Atsuhiko Misawa

「Meet The Animals-ホームルーム」は、京都出身の彫刻家・三沢厚彦(みさわあつひこ、1961-)が京都=ホームで初めて開催する個展です。本展は、小学校の雰囲気を湛える京都芸術センターの場所性を生かし、はじめてクラスメイトに会った時のような感覚、過ごしてきたあの時を想起させながら、動物たちとの「出会い」をテーマに開催いたします。

三沢は、2000年からユーモラスで親しみのある動物の木彫作品を発表し、近年ではあいちトリエンナーレなどで空間と作品の関係性を重視した独自のインスタレーションともいえる展開をみせています。三沢の動物たちがもつ木の温かみや作品表面の質感、リアルな大きさは見る者に「生き物」としての印象を与えます。これらの視覚的要素も作品の一つの側面ではありますが、それ以上に見る者に抱かせる親しみや愛らしさといった感情は、まるで誰かと出会ったときの瞬間を彷彿とさせ、単なる「見ること」を越えた「出会い」を体感させます。

ホワイトキューブの空間に同化するかのように私たちを待つ白い動物たち。有機的な館内にぽっかりと浮かぶ二つのギャラリーには、三沢作品の醍醐味ともいえる巨大な木彫作品を展示します。それと対象的に軋む木の廊下、和室など館内各所には、小さな動物たちを展示。また、教室の一画には三沢のアトリエを再現し、動物たちの生まれる場所の様子を再現します。

「出会い」―それは瞬間でありながら、心の中に留まり増幅していく。巨大な動物の迫力、館内を歩くことによって演出される巡り合いは、心の中にそれぞれの感情を抱かせることでしょう。 また、京都芸術センターがビジュアルアートに限らず、多彩なジャンルのアーティストの制作の場となっている特徴を生かし、京都芸術センターで活動するダンサーたちとのコラボレーション「The Animals Meet Dance. 」を開催します。このコラボレーションを通して、彫刻と人間の共存を試み、「生き物」としての存在感を放つ動物たちの間で、人はどのような影響を受け身体をみせるのか考える機会とします。

三沢厚彦(みさわ・あつひこ)
1961 京都府に生まれる
1987 東京芸術大学美術学部彫刻科卒業
1989 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻終了

個展
1995 横浜ガレリアベリーニの丘ギャラリー、神奈川
1998 INAXギャラリー2、東京
2000 ANIMALS 西村画廊、東京
2001 第20回平櫛田中賞受賞記念「三沢厚彦展」高島屋本店6階美術画廊、東京/井原市立田中美術館、岡山
2002 ANIMALS02 西村画廊
2003 Dogs 桜華書林、長野、ドローイング「動物たち」 西村画廊
2004 三沢厚彦展 ギャラリーたむら、広島('08)
2005 ANIMALS05 西村画廊
2007 もう一つの三沢厚彦展 西村画廊、Animals 桜華書林、長野、ANIMALS in graf graf media gm、大阪
2007-8 ANIMALS+ 平塚市美術館、北海道立旭川美術館、高崎市美術館、伊丹市立美術館、ふくやま美術館
2008 ANIMALS '08 in YOKOHAMA そごう美術館
2009 ANIMALS in AAC 愛知県美術館
2010 ANIMALS in TOCHIGI 栃木県立美術館、ANIMALS in KIRISHIMA 鹿児島県霧島アートの森、三沢厚彦「ねこと小鳥」 ギャラリートラックス、山梨
※グループ展歴多数

関連企画 トークイベント
講師として林洋子氏を迎え、出品作家・三沢厚彦とともに本展とこれまでの作品について語るトークイベントを開催します。三沢作品の制作過程について、展示、そして京都=ホームでの発表についてお話します。
2011年4月10日(日)17:00-19:00
会場:ミーティングルーム2 講師:林洋子(美術史・美術評論/京都造形芸術大学准教授)、三沢厚彦(彫刻家/本展出品作品)
料金無料、事前申込み不要

関連企画「The Animals Meet Dance.」
関連企画「The Animals Meet Dance. 」では、動く身体とAnimalsとの出会いの場を作り出します。

―人間がほかの動物をどう見るかということは、それらにどのような人間像をあてはめるかということかもしれない。またその逆で人間という不可解な性質の持ち主に動物の強い個性をあてはめたりするのであろう。
(引用『三沢厚彦 アニマルズ』2002年6月29日、株式会社求龍堂)

Animalsとの出会い。人との出会い。その瞬間に私たちは、様々な感情を抱きそれを「出会い」の証拠として記憶し続けます。作品から影響を受ける身体、その逆で動く身体のある空間で彫刻作品はどのような出会いの感情を掻き立てるのか、ご期待ください。
2011年5月4日(水・祝)
プログラム: 1st Stage セレノグラフィカ、2nd Stage  KIKIKIKIKIKI
(公演時間、会場は決定次第、ウェブサイトにて告知予定)

※全文提供: 京都芸術センター


会期: 2011年4月10日(日)-2011年5月22日(日) ※会期中無休
会場: 京都芸術センター

最終更新 2011年 4月 10日
 

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