キャンバスの中に潜む、洗練された女性の美しさ

1963年、英国マンチェスター生まれのマーク・デンステッダーは、現在、英国で最も有名な人物画を描くアーティストのひとりです。木炭とガッシュを使って描かれる女性の身体のラインは、ルネッサンスを彷彿とさせる伝統的なタッチであり、生み出される作品は、俳優のニコラス・ケイジをはじめ多くの著名人やコレクターに愛されています。

作品のモデルには、海外の有名ファッション誌などで活躍中のエリン・オコーナーを起用するなど、ファッションとも深い関係を持つマーク氏。彼は、「ファッションとアートをひとつの作品の中で何とか両立できないかを考えている」といいます。また、「女性を美しく表現するため、ファッションデザイナーと同じように、身体のラインを常に意識している」とも語っています。

一見孤独に描かれているように見える作品の中の女性たちですが、その独特な表情とポーズには、まるで絵の中で静かに呼吸をしているかのような、確かな存在感が宿っています。男性だけが知りうる秘められた女性の美しさを表現した作品の奥深くには、見る者にストーリーを訴えかける力が感じられることでしょう。

今展では、エリン・オコーナーをモデルとした作品など、原画・版画約40点をご紹介。新たな女性の美を表現し続けるマーク・デンステッダーの魅力に迫ります。

※全文提供：　Bunkamuraギャラリー

会期：　2011年3月5日（土）－2011年3月15日（火）
会場：　Bunkamuraギャラリー