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大西康明:体積の裏側
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 1月 25日

大西康明 《体積の裏側》(部分)
2010年|グルー、ポリエチレンシート、その他
画像提供:愛知県美術館

大西康明 《restriction sight AAC》
2007年|ポリエチレンシート、紙、蛍光塗料、FAN、ブラックライト、その他
画像提供:愛知県美術館

大西康明(1979年、大阪生まれ)は、日常的な素材をそのまま用いながら、目に見えない現象や気配をとらえて造形化させる若手のアーティストです。

本展「体積の裏側」にて、大西は無数の接着剤を垂らしてビニルシートを吊り下げる大型の立体作品を発表します。接着剤の滴りの下にぽっかりと空いた空間はがらんどうにも関わらず奇妙な強度をもち、あたかも自律した立体物のように浮かび上がってきます。また、極めて軽い素材を用いているために、人が通り過ぎると作品全体がわずかに揺らめきます。このようにして、重力、ヴォリューム、動きといった古典的な彫刻概念を軽やかに転換させる大西は、彫刻の「裏」をさぐろうと試みているのかもしれません。

スペクタクルでありながらあっけらかんと抜けており、柔らかく軽やかなのに強い存在感をはなつ大西の作品は彫刻の持つ可能性を私たちに感じさせます。愛知県美術館のテーマ展のために新たに制作される本作品を、ぜひこの機会にご覧ください。

【展覧会の見どころ】
1. 本展覧会でしか見られない期間限定の新作発表
大西康明は本展に向けて、溶かした接着剤などを用いた大型立体作品『体積の裏側』を制作します。展示室6が、まるごと作品空間へと変容する予定です。しかし、この作品は展覧会が終わると再び解体されてしまうため、愛知県美術館で展覧会期間のみ鑑賞可能となります。この貴重な機会をぜひ、お見逃し無いようお願い申し上げます。

2. 主要都市の公立美術館で初めての個展
2007年「新進アーティストの発見 in あいち」の美術部門に入選して以降、大西は国内外で高い注目を集めています。本展は、その大西にとって国内主要都市の公立美術館で初めての個展となります。直接目にすることが難しかった大西の作品を愛知県美術館でぜひとも多くの方にご鑑賞いただきたいと思います。

3. 約三週間に及ぶ滞在制作
本展のために大西は名古屋市内に1月末より約3週間滞在して作品制作にのぞみます。制作過程については随時、美術館のブログ等を通じて発信していきますので、作品が生まれゆく様子をご覧いただくことができます。

■大西康明ギャラリー・トーク
〔日時〕 2月27日(日) 14:00-15:30
〔開催場所〕 愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階) 展示室6
〔参加方法〕 申し込み不要。観覧券をお持ちのうえ、開始時刻に10階美術館ロビーにお集まりください。

※全文提供: 愛知県美術館


会期: 2011年2月15日(火)-2011年4月17日(日)
会場:  愛知県美術館
休館日: 毎週月曜日(ただし3月21日(月・祝)は開館し、翌22日(火)が休館)

最終更新 2011年 2月 15日
 

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