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齋藤祐平・個?展「羅布泊書工書庫」
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 1月 13日

展示風景より

齋藤祐平(1982年生まれ)の個展。

「羅布泊書工」という架空の出版社を個展のタイトルに掲げ、自作本が棚スペースいっぱいに詰められた「書庫」として展示する。

関連イベント「神保町間欠泉」1月16日(日)
14:00-19:00 ライブペイント(一般参加自由)
19:00-21:00 展示
■参加メンバー:
淺井裕介、一輪社、内田百合香、小田島等、及川さやか、加瀬透、郡司侑祐、齋藤祐平、NANOOK、福士千裕、もんだみなころ


会期: 2011年1月10日(月)-2011年2月2日(水)
会場: 棚ガレリ

最終更新 2011年 1月 10日
 

編集部ノート    WRITTEN_BY石井 香絵


展覧会フライヤー画像

    棚ガレリとは昨年10月に開設された、美學校の本棚の一部を展示スペースとする小さなギャラリー。5度目となる今回の企画展示が齋藤祐平・個?展「羅布泊書工書庫」である。羅布泊(らふはく、もしくはロプ・ノールと読む)とは中国内陸部に実在した1600年周期で移動する湖の名称で、近日公開される齋藤の作品閲覧のためのサイト名でもある。本展では「羅布泊書工」という架空の出版社を個展のタイトルに掲げ、齋藤の自作本が棚スペースいっぱいに詰められた「書庫」として展示されている。展示品のなかにはNANOOK、福士千裕、平間貴大らとの共作もあるため、正確には「個展」ではなく「個?展」だという。観客は本を自由に手に取り、購入してそのまま持ち帰ることが出来る。展示スペース左側には各本の価格表と解説ノート、右側には料金箱が置かれている。
    出品された本は最近制作されたものや新作がほとんどだが、齋藤と自作本との歴史は長い。キャンパスが田舎にあった大学時代、連載もののフリーペーパーを作り置き場所を探すために東京に出はじめたことが、作家としての活動の原点となっている。自作本の制作は以後断続的に続けられるが、本展はそうした齋藤の活動の一端を展示というかたちで提示し、まとまった量の閲覧を可能とする初の試みである。
    展示品は『TOKYO』や『ODDS & ENDS』など以前から連載してきたものに加えて、新たなアイデアで作られた新作が多数見られる。全ページ袋とじの『Japanese Porno for Greek』。A3サイズの一枚のドローイングを四つ折りにしてタイトルをホチキスで付けた『十二月』1・2。年末年始の東北旅行でのスケッチをもとにした『荻窪~追分』『追分~花泉』『花泉~小川』では、スケッチの上に移動した路線の行程が書かれている。デフォルメされた人物の顔を描いた『FACE STUDY 2010』は、齋藤作品に特徴的な何を考えているか分からない表情が並び、小サイズながらも名作。全体的にドローイングや文字に関しては、何気なく書かれているようでかなり緻密な線で構成されているので不思議と見飽きることが無い。絶えず移動を続ける羅布泊と同じように、本作品群も多くの人手に渡り、書庫には新たな新作が補充され変化し続ける展示空間となることを期待したい。
    本展の関連イベントとしては、1月16日に美學校内でライブペイント「神保町間欠泉」が開催される。参加メンバーは淺井裕介、一輪社、内田百合香、小田島等、及川さやか、加瀬透、郡司侑祐、齋藤祐平、NANOOK、福士千裕、もんだみなころ。飛び入り参加も歓迎。ライブペイント「間欠泉」は昨年11月に井の頭公園でも行っており、そのとき描かれた絵の一部は今回出品された『Inokashira Kanketsusen (excerpt)』にまとめられている。本作品群が生まれる過程に実は多くの出来事が含まれていることを、「神保町間欠泉」で体感できるかも知れない。


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