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ジュリー・ヘファナン:Broken Homes
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2010年 12月 29日

《Study for SP as Broken Home ll》
2008年|71.1 x 55.8 cm|oil on canvas
画像提供:メグミオギタギャラリー

1956年にイリノイ州生まれたジュリー・ヘファナンは、1981年にエール大学で美術学修士を取得後、世界各国で数々の個展を開催し、複数の賞を受賞しています。その作品はアメリカ本土で複数の美術館に所蔵され、幅広く支持されています。 バロックやロココの華美で装飾的な表現でジャングルや古城を舞台に描き、生と死にまつわる寓意的な要素が盛り込まれたヘファナンの作品は、その圧倒的な技術力と発想の広がりで多くの人々を魅了します。 全ての作品はセルフポートレイトと名付けられ、肖像画、風景画、静物画などの垣根を超えた、芸術の歴史から汲み取られた美と知恵の結晶として、絵画と対話する純粋な喜びを提供します。

近年ではイメージをより細分化させ、夢で見るように多重人格的な世界を描きます。今展に出品する作品の中には、幾つにも区切られた小部屋や、様々な物が寄せ集められて作られた巣のような表現が登場します。それはあたかも細胞であり、ヘファナンの頭脳であるかのように、有機的な力をもって画面を支配します。作家の心理に渦巻く様々なイメージの断片が優美な筆使いで画面上に次々と登場し、混乱と調和の中に一つの生命体を作り上げています。

今展では母親でもあるヘファナンが少年時代を終え独立していく息子達へ向けて描いた大作を含めた、日本未公開の新作7点を発表いたします。木々の枝や果実に混ざり、肖像画や写真、歴史的な建物など私達を取り巻く記憶や風景の断片が絡まり合い一つの巣のような物体を作ります。より自由な創造の旅を続けるために、歴史の記憶で作り上げた巣を育むヘファナンの作品は、自らも新しい美術史の一部となっていきます。ジュリー・ヘファナン「Broken Homes」をどうぞご高覧ください。

※全文提供: メグミオギタギャラリー


会期: 2011年2月22日(火)-2011年3月19日(土)
会場: メグミオギタギャラリー
レセプション: 2月22日(火)17:30 - 19:30

最終更新 2011年 2月 22日
 

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