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大森準平:Cord Chord Code
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 12月 17日

《JOMON Blue》2010年|35 x 35 x 42cm|ceramics
画像提供:メグミオギタギャラリー

1979年生まれの大森準平は、京都精華大学芸術学部で陶芸を学びました。2010年には「モンブラン ヤングアーティスト パトロネージ イン ジャパン」で一般投票一位を獲得するなど、その作風に注目が集まっています。

大森はこれまでアニメキャラクターや家紋などのモチーフが本質的にもっている機能や美しさを表現するため、そこから抜き取って集約した抽象的な作品を最もシンプルな黒陶で制作をしていました。

しかし近年になり、縄文時代中期に多く作られた火焔式土器の、形態に留まらない装飾の在り方に魅せられ、そのフォルムを鮮やかな色調で再現する制作を行っています。

学生時代、京都国立博物館で縄文時代のやきものを見た時の衝撃が脳裏に焼き付いて忘れられない。「釘付け」 とは、まさにこんな時に使う言葉だろう。土の持つ魔力や神秘性は、原始時代の人間の祈りの形にすでに表現されていると感じる。それは土の表層や重厚さでもあり、膨大な時を駆け抜け残って来た奇跡を目の当たりにしているからではないだろうか。

大森流「火焔土器」は黒陶の放つ漆黒の黒に対し、鉱物の金属質や色の三原色から混合色まで、人間の網膜を刺激 する形態と色を用いる。火焔土器の本来の機能は「祈り」であろう。さらに豊作祈願や無病息災・子孫繁栄など人間 の願いを込めた形がこの土器の形態であろう。思いの強さが装飾に表れ伝わってくる。その思いを私は受け継ぎ、今 は自分の「祈り」を装飾と言うかたちで見せている。

「祈り」を目的として日用品や自分自身の体を飾った古代の人々にとって、装飾は宇宙や神とのコミュニケーションでした。それは美が人間の願望と共に発生し、進化してきた証でもあります。大森は古代土器という形態を元に、現代的に洗練された文様と色彩で私達の感性へ衝撃を与え、祭祀や儀礼に変わるアートの役割を提示いたします。大森準平「Cord Chord Code」では、金色、銀色やカラフルな色彩で火焔式土器の力強さを現代に蘇らせます。どうぞご期待下さい。

※全文提供: メグミオギタギャラリー


会期: 2011年2月4日(金)-2011年2月26日(土)
会場: Showcase / メグミオギタギャラリー
レセプション: 2011年2月4日(金)17:30 - 19:30

最終更新 2011年 2月 04日
 

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