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森村泰昌:なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 12月 08日

《海の幸・戦場の頂上の旗》2010年|映像
画像提供:兵庫県立美術館

《なにものかへのレクイエム(宙の夢/アルベルト1)》
2007年|写真
画像提供:兵庫県立美術館

森村泰昌(1951- )は、大阪を拠点に国際的な活躍を続ける美術家です。名画の登場人物や女優などに自ら が「なる」というユニークな手法で、80 年代より一貫してセルフポートレートの写真作品に取り組み、国内 外で高い評価を得てきました。本展では、20 世紀の男たちをテーマとする最新シリーズ〈なにものかへのレ クイエム〉を、完全版で紹介します。

美術史や女優をとりあげたこれまでの作品では、女性に変身するイメージの強かった森村。今回のシリーズで は一転して、三島由紀夫やゲバラ、アインシュタインやピカソなど、戦争と革命の20 世紀を生きた男たちの 姿に挑みました。さらに「硫黄島の星条旗」など、歴史的瞬間をとらえた報道写真を題材に、独自の解釈で過 去を検証し、現代に甦らせます。

このシリーズは2006 年に最初の作品が発表されて以降、森村の新境地として話題を集めてきましたが、地元 関西では今回が初の展示となります。レクイエム、それは過ぎ去った人物や時代への哀悼と敬意をこめつつ、 その姿を未来へ伝えること、と森村は言います。森村の作品世界を通じ、20 世紀という時代にあらためて触 れることが、21 世紀の私たちにとって今そして未来への手がかりを得る機会となれば幸いです。 本展は2010 年3 月、東京都写真美術館を皮切りに、豊田市美術館、広島市現代美術館と巡回し、兵庫県立美 術館が最終会場となります。特に兵庫会場においては以下の点にもご注目ください。

世界のモリムラ、地元関西で12 年振りの大規模個展
世界で活躍を続ける森村。たびたび各地の美術館で個展も開かれていますが、地元関西の美術館では、1998 年の京都国立近代美術館における「森村泰昌[空装美術館]絵画になった私」以来、実に12 年ぶりの大規模な個 展となります。

モリムラが「男」になった!? 話題の新作シリーズ、関西初展示
2006 年から始まった話題の新作シリーズ〈なにものかへのレクイエム〉ですが、これまで関西では本格的に 紹介されておらず、全作品が初の展示となります。森村の新展開を初めてにして完全版で目撃する貴重な機会 です。

知られざるモリムラ!?-小企画展を同時開催
同時期にコレクション展の小企画として森村の個展「「その他」のチカラ。-森村泰昌の小宇宙―」を開催し ます(~3 月13 日)。こちらはあるコレクターが蒐集した森村作品約80 点を展示。小品、「書」、オブジェな どの珍しい作品により、「主要」作品とはひと味違った森村の「その他」の魅力を紹介します。対照的な2つ の展覧会によって、森村の多面的な魅力に触れていただけることでしょう。

森村泰昌
1951 年大阪に生まれる。
1978 年京都市立芸術大学卒業。
1985 年よりセルフポートレイトの作品制作を開始。
1988 年「ヴェネツィア・ビエンナーレアペルト’88」
1989 年「アゲインスト・ネイチャー」(サンフランシスコ近代美術館他巡回)に出品。
以後、国内外の多数の展覧会に参加。
代表作に古今東西の名画を題材にした〈美術史〉シリーズ、映画の登場人物を題材にした〈女優〉シリーズ、フリーダ・カーロを題材にした「私の中のフリーダ」や、スペインの巨匠ゴヤの版画集「ロス・カプリチョス」を題材に現代諷刺を展開した「ロス・ヌエボス・カプリチョス」など。その他、演劇『パンドラの箱』(野田秀樹作、蜷川幸雄演出、1999 年)や映画『フィラメント』(辻仁成監督、2002 年)に出演、著作多数。

主な個展
1990 年「美術史の娘」佐賀町エキジビット・スペース、東京
1996 年「森村泰昌美に至る病女優になった私」横浜美術館
1998 年「森村泰昌[空装美術館]絵画になった私」東京都現代美術館/京都国立近代美術館/丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
2001 年「私の中のフリーダ/ 森村泰昌のセルフポートレイト」原美術館、東京他
2002 年「森村泰昌写真展女優家M の物語」川崎市市民ミュージアム
2007 年「森村泰昌:美の教室、静聴せよ」熊本市現代美術館/横浜美術館

主な著書
『美術の解剖学講義』平凡社、1996 年
『芸術家Mのできるまで』筑摩書房、1998 年
『「変わり目」考-芸術家Mの社会見学』晶文社、2003 年
『時を駆ける美術-芸術家Mの空想ギャラリー』光文社、2005 年
『「美しい」ってなんだろう?-美術のすすめ』理論社、2007 年
『手の美術史』二玄社、2009 年
『露地案先生のアンポン譚』新潮社、2010 年

受賞歴
東川賞(2002 年)、織部賞(2003 年)、京都府文化功労賞(2006 年)、芸術選奨文部科学大臣賞(2007 年)

関連イベント「自作を語る/レクイエム、それから」
1月23 日(日)14:00~15:30
講師:森村泰昌氏(出品作家)
ミュージアムホールにて(定員230 名、当日11:00 より整理券配布) 聴講無料
※兵庫県立美術館「芸術の館友の会」共催事業会員優先予約あり
※会期中に別途、記念対談を予定しています。(3月頃)

※全文提供: 兵庫県立美術館


会期: 2011年1月18日(火)-2011年4月10日(日)
会場: 兵庫県立美術館3階企画展示室

最終更新 2011年 1月 18日
 

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