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藤場美穂:unspecified Ladies
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 12月 06日

デジタルプリント、120×75.5cm
画像提供:MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w
Copyright © Miho Fujiba

日本のどこででも売られているTシャツにプリントされた女たち。映しだされた<名の無い>彼女たちを再撮する。

これまでに、新聞紙の裏面から光を透過させることにより紙のウラ/オモテにの情報を同一画面に撮影する作品、数限りなく販売・消費される婦人服を通販カタログから切り抜き造花に仕立てたものを同様の手法で撮影する作品などを発表してきました。

確かな媒体である紙の両面それぞれに配置された文字や画像情報は、本来、相互関係を持ちませんが、藤場の作品上で均質化するとともに、無意味であったり、逆に新たな意味深な関係を結びはじめます。また、文字の群れは重なり合い、文字情報として機能しない場合もあります。造花作品の場合も、通販カタログにおいて一つの衣服デザインにある何種類もの色違いに着目し、衣服のもとのデザインや機能と無関係に、色ごとに切り抜いた紙片を造花の花弁として再編させます。

今回の unspecified ladiesは、日本の若い女性向けに大量生産されたTシャツの多くに、どこの誰とも定かでない白人女性がプリントされている点に着目しました。

どういう経緯でポートレートの数々は私たちの目前に現れたのか。匿名の美女たちは、デジタル時代における個人情報や肖像権、典型的な理想の女性像などについて、疑問を投げかけます。撮影方法は、これまでと同様。Tシャツに光を透過させ、あたかも実物の織物のように布地を表現しました。見る者は、作品が、実は布地や付属品の実写であり、ポートレートが加工を繰り返された虚像であることに気づきます。成安造形大学写真クラス卒業。

※全文提供: MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY pfs/w


会期: 2010年12月7日(火)-2010年12月25日(土)
オープニングパーティー: 12月7日(火)17時より

最終更新 2010年 12月 07日
 

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