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オスカー・トゥアゾン&ガーダー・アイダ・アイナーソン:Sex Booze Weed Speed
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2010年 11月 15日

(左)Oscar Tuazon, Sex, 2010, Installation view, Jonathan Viner
(右)Oscar Tuazon, Untitled, 2010, Installation view, Kunsthalle Bern
画像提供:ラットホールギャラリー

Gardar Eide Einarsson, ANOTHER MODERN MOMENT COMPLETED, 2010, Installation view, Team Gallery, New York
画像提供:ラットホールギャラリー

オスカー・トゥアゾンは1975 年シアトル生まれ、2007 年よりパリに在住しています。トゥアゾンの作品は、彫刻作品でありながら、展示される空間を建築的に変容させます。作品に使われる素材は建築資材や工業製品だけではなく、彼自身が自然の中や道路で拾ってきたものも含まれます。そうした特別でない素材を使って、日曜大工(Do It Yourself)の精神とも言える実践を通して、展示空間の中に建築への問いかけとして構造物を作り上げます。彼のインスタレーション作品は身体的であり、自立し、独立するものです。コンセプトからではなく、限られた空間的および物理的な諸条件をもとに、身体を使って作品を作り上げることは、トゥアゾンが建築現場から学んだことでもあり、現在も彼の作品制作において重要な要素です。スタジオを持たず、多くの場合に現場で作品制作を続ける彼は、今回もラットホールギャラリーの空間の特質を利用しつつ、全く異なる空間へと仕立て上げる立体作品を展示する予定です。

ガーダー・アイダ・アイナーソンは1976 年オスロ生まれ、現在はオスロ、ニューヨークと東京に在住し活動しています。アイナーソンの作品は白黒のペインティング、ポスター、旗、写真、ビデオなど、様々な素材を使った平面作品が中心です。テーマとなるのは、権力や犯罪など、「管理社会」にまつわることであり、コミックや公的機関のアンケート用紙、既存のテキスト、車用のステッカーなどといったイメージを引き伸ばし、切り離し、組み合わせたりすることで、洗練されながらも皮肉に満ちたかたちで、権力やその両義性に対して問いかける作品を制作しています。彼の作品は、こうしたイメージの流用において、サブカルチャーやポップアートの影響が見られる作品でありながら、同時に美術史における絵画作品への考察を含んでおり、マレーヴィチやラインハルトといった幾何学的な抽象絵画の流れを汲むものです。今回は、80 年代サブカルチャーに登場した護身術のマニュアル本のイメージを基に、白と黒を基調にしたシルクスクリーンをカンヴァスに転写した作品を発表します。

トゥアゾンとアイナーソンはホイットニー美術館(ニューヨーク)のインディペンデント・スタディ・プログラム(2001~2002 年)で出会い、そこで初めて共同で作品制作を行いました。また同時期、ヴィト・アコンチのもとで、ともに制作活動を行っています。以来、それぞれソロでのキャリアを積み重ね、数多くの個展・グループ展を世界中で開催しています。2006 年には、政治的な物議を醸した70 年代のスキャンダル誌を複写した共同作品をホイットニー・ビエンナーレで発表するなど、いくつかのプロジェクトを共同で行っている彼らですが、二人展というかたちでの発表は今回が初めてとなります。立体作品と平面作品という次元の異なる二人の作品が、ラットホールギャラリーのニュートラルな空間に大胆に介入することで、異空間を生み出します。

◆展覧会にあわせて、トゥアゾンとアイナーソンの共同制作による、両作家の写真作品を中心とした書籍をラットホールギャラリーから刊行いたします。

オスカー・トゥアゾン
1975 年ワシントン州シアトル生まれ、パリ在住。ライター、キュレーターでもあり、アーティストグループ「castillo/corales」の共同設立者でもあり、同名のギャラリーも運営。

主な個展:
2010 Oscar Tuazon: My Mistake, Institute of Contemporary Arts (ロンドン) Oscar Tuazon, Kunsthalle Bern(ベルン)
Oscar Tuazon, Parc Saint Léger - Centre d'art contemporain (プーギュ・レゾー)
2009 Oscar Tuazon, Centre international d'art et du paysage de l'île de Vassivière (ヴァシヴィエール)、Oscar Tuazon, Künstlerhaus Stuttgart (シュトゥットガルト)、Oscar Tuazon, David Roberts Foundation, London(ロンドン)
2008 Kodiak, Seattle Art Museum(シアトル)
2007 Where I Lived And What I Lived For, Palais de Tokyo, Paris(パリ)

主なグループ展:
2010 Dynasty, Palais de Tokyo, Paris(パリ)
2009 Evento, Musee d'Art Contemporain, Bordeux(ボルドー)
2008 Degrees of Remove: Landscape and Affect, The Sculpture Center, New York(ニューヨーク)

ガーダー・アイダ・アイナーソン
1976 年オスロ生まれ、ニューヨーク・オスロ・東京を拠点に活動。

主な個展:
2010 Power Has A Fragrance, Reykjavik Art Museum (レイキャヴィーク)、Power Has A Fragrance, Astrup Fearnley Museum of Modern Art in Oslo (オスロ)
2009 Focus: Gardar Eide Einarsson, Modern Art Museum Fort Worth, TX (フォート・ワース)
2007 South of Heaven, Kunstverein in Frankfurt, Germany(フランクフルト)、South of Heaven, Centre d’Art Contemporain, Geneva(ジュネーヴ) 主なグループ展:
2010 The Secret Knows, LAND (Los Angeles Nomadic Division)(ロサンゼルス)
2009 The World is Yours, Louisiana Museum for Moderne Kunst Humlebæk, Denmark(フムレベック)
2008 That was then...This is now, PS1 MoMA, New York(ニューヨーク)、Whitney Biennial, Whitney Museum of Art, New York(ニューヨーク)
2007 In Practice Projects, The Sculpture Center, New York(ニューヨーク)

※全文提供: ラットホールギャラリー


会期: 2010年12月17日(金)-2011年2月20日(日)※12/28-1/5 休み

最終更新 2010年 12月 17日
 

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