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木藤純子+水野勝規 2人展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 10月 28日

画像提供:GALLERY CAPTION

木藤純子(1976年富山県生まれ)は、近年、自然や既存の空間から着想を得て展開されるインスタレーションが高く評価されています。「その場所でしか成立しない作品」であることにこだわる木藤は、その場や空間が持つ力を引き出しながら、誰もが想像したり感じたりしたことがあるであろう、自然のなかでのよろこびや、美しさに対する視覚的な経験を、そこによみがえらせるような空間を作り上げています。

そして作品の多くは、光と闇を巧みに演出し、視覚をはじめとする私たちの五感を揺さぶるような仕掛けが成されます。しんとした暗闇のなかにふいに灯るほのかな明かりや、研ぎ澄まされた五感に触れるわずかな気配の変化に、忘れていた感覚や遠い記憶が呼び覚まされ、眼前の様相に、見る者のこころの風景が重ね合わされます。

水野勝規(1982年三重県生まれ)もまた、自然や何気ない日常の風景をとらえた映像作品を制作しています。作品はモノクロ、カラーを問わず、カメラワークを一切排除した、定点で映し出されたいくつかの場面、あるいは一場面のみによって展開していきます。写真と見まごうほどの乏しい動きや、日常のなかの取るに足らない単純で単調な変化、また淡々とうつろいゆく自然の様子に、日々の生活とは異なる時の流れを思わせます。

また一方で、近年は日々の生活から遠く離れた風光明媚な景色を題材とした、絵画を思わせる幽遠な美しさをたたえた作品も手掛けています。一見すると対極にあるかのようにも思える景色でありながら、どちらの画面にも普遍的な自然観や美意識がそこはかとなく流れており、簡素な手法のなかに真を捉えようとする、作家の一貫した制作姿勢を見て取ることができます。

展覧会では、2部屋あるギャラリーを使い分け、それぞれが個展形式で展示を行います。木藤純子はroom-Aにおいて、自然のうつろいや、かたちあるものが変化していくさまを、立体作品「skypot」にまつわるインスタレーションによって表現します。room-Bでは水野勝規が7台のモニターを使い、作家の原点である映像作品「monotone」を、現在の視点から再構成いたします。

※全文提供: GALLERY CAPTION


会期: 2010年10月19日(火)-2010年11月27日(土)12:00-18:30|日・月・祝休

最終更新 2010年 10月 19日
 

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