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川辺ナホ:Most things happen in the interval
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 10月 26日

《Cosmic but unfair》2010年|Photo: Birgit Wudtke
画像提供:Port Gallery T|Copyright © Naho Kawabe

Port Gallery T3周年記念企画展、ドイツ・ハンブルグを拠点に活動を続ける川辺ナホの個展。インスタレーション、ビデオワークスを発表。

川辺作品との始まりは、何枚かのビデオスチルとタイトル、短いテキストのみという小さな入口だった。しかし、何かが強く気になり、何かがざわつき、何かをすごく思い出しそうになった。そして作品は、その予兆を(とても十分に)確かにし、響きだす。

ループ(loop)は、川辺作品の特徴のひとつとも言えるだろう。繰り返される映像を飽くことなく、むしろ集中度を増して見続けるのは何故か。私たちが日 常的に体験している事柄が、例えそれがまったく違う形であったとしても、強烈に、時には非常にありありと引き出される点にある。抽象的なイメージが起こす 波動に、個人的でリアルな体験もしくは想像が結びつくことに、強い関心を持っている。実効的な術を得たとも思う。

しかし、「どれだけ語っても、相手に伝えられない何かが残る作品というのは、こういう作品なのだろう」ということにも気付かされてしまうのだ。
作品がここにあるだけで、まず十分に「こと」が足りる。
願わくば多くの人に、でも許されるなら一人の体験として、川辺ナホの差し出すトーンに気づいていただけたとしたら、それはとても嬉しい瞬間です。

関連プログラム:View Point『ドイツの今、アーティストネットワークについて』
開催日 :2010年11月6日[土]
時間; 17:30より受付 18:00開始
場所;Port Gallery T
参加費:1,000円(展覧会リーフレット付・要予約)
レクチャー:川辺ナホ(アーティスト・The BeetoBee Netメンバー)
制作の場をドイツに置いて10年になる川辺ナホ。話によればドイツでは、アーティスト達が自ら立ち上げる活動 が多いと言います。スタイルは様々。川辺も実際に「The BeetoBee Net」というアーティストネットワークのメンバーでもあります。彼女らの、展覧会を構成していく力の高さをみても、作家として制作を続ける上でたいへん 興味深い動きといえるでしょう。そこで、展覧会開催に合わせ、ドイツの現在に触れるレポート・アーティストレクチャーです。美術関係の皆様はもちろん、作 家として活動を続けていこうという学生の方・若い方にもヒントのある内容でお届けしよう、と企画しています。お楽しみに。ご参加お待ちしています。
<お申込方法>
件名を「11月6日川辺ナホレクチャー」としていただき「お名前・ご連絡先電話番号・ご予約人数」をお知らせの上、ギャラリーまでお電話がメールにてご予約ください。
電話: 06-6185-3412|メール: このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください

川辺ナホ(Naho Kawabe)
1976 年福岡生まれ。1999 年武蔵野美術大学映像学科卒業。2001 年DAAD 留学奨学金を得てドイツへ渡る。2001~2006 年University of fine Arts of Hamburg へ留学。Diploma を取得。以降、Hamburg 市、文化庁などの美術奨学金を多数受賞し、展覧・制作活動を着実に展開中。日本国内では今年、第5 回shiseido art egg に入賞。2011 年3 月、資生堂ギャラリーにて個展開催が決定。

※全文提供: Port Gallery T


会期: 2010年11月5日(金)-2010年12月4日(土)12:00~19:00(土曜日18:00まで/日曜休み)
レセプションパーティー: 2010年11月5日(金)18:00~20:00

最終更新 2010年 11月 05日
 

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