渡邊かおり 展 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 10月 18日 |
新作はすべて文化庁新進芸術家海外研修制度によって実現した2009年から2010年にかけてのギリシャ滞在の経験を反映しています。 明るい陽光と青空のギリシャのイメージに反し、彼女が描くのは深夜のプラカの野良犬、ミコノスのビストロ・ニコスの裏のペリカン、アテネのティシオの灰色の空をバックに大木にとまる無言の鳥たち、等々。それらの絵は常と異なる何か、ほとんどシュルレアリスティックとさえいえる空間を訴えかけてきます。 彼女のイマジネーションは、過去と現在、夜と昼、死と生などの“時”の複層についての深い考察から得られたものです。特に古代の遺跡が至るところにあるアテネで、親しい人々の内にある古代から現代へと通じる生命の連続を強く感じました。 渡邊かおりはこのフィーリングをひとつの画面にふたつの相反する要素を盛りこむことで表現しています。例えばミクロとマクロ、遠くと近く、老いと若さの併存のように。このようにして、渡邊は時が醸す神秘的なフィーリングの表現大成功したといえます。そして私たちは時の迷宮に導かれていきます。 ※全文提供: ガレリア・グラフィカ 会期: 2010年11月22日(月)-2010年12月4日(土) |
最終更新 2010年 11月 22日 |