| EN |

菅かおる 展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 9月 28日

画像提供:菅かおる
Copyright © Kan Kaoru

日本画家、菅かおるの水をモチーフに制作された絵画、約15点により構成される個展。この度、岩絵の具、金箔に加え、墨を意欲的に用いた新作も展示されます。菅かおるの描く水、その奥底で、記憶と生命の根源的な形が繋がり、その表面で、それらは形を変えながら一体となって輝いています。「水は透明で、他のものとの関係性のなかで成り立ち、様々な色、形に変化する。私を惹きつけてやまないものは、その変化。」と語る菅かおるの水は、静止した絵画でありながら、刻々とその表情を変え、鑑賞者を記憶の水底へ誘い、同時に、水に反射する空へと解き放ちます。

アーティストステイトメント
水は透明で、他のものとの関係性のなかで成り立ち、様々な色、かたちに変化する。
私を惹きつけてやまないものは、その変化。
水は空を映し、樹々を映し、私のなにを映すのか。
透明である、無限の色がある水、ミズ、みず。
記憶は消滅せずに変化する。
刻々と変化する記憶を留めたいと思う。
私にとって絵を描くことは、息を吸うように、シンプルでプリミティブな行為だ。
透明で、変化する、曖昧さと強さを受け入れながら 描きたい。

菅かおる
2000 京都造形芸術大学 美術科日本画コース卒業
2001 第5回公募新生展 新生賞受賞
2004 京都造形芸術大学 国際藝術研究センターフェロープログラム2004年度研究員
個展・グループ展多数
千住博に師事
菅かおるHP:http://web.me.com/kaorukan/kan

全文提供: 菅かおる


会期: 2010年10月1日(金)-2010年10月16日(土)

最終更新 2010年 10月 01日
 

編集部ノート    執筆:平田 剛志


画像提供:菅かおる
Copyright © Kan Kaoru

初期から「水」をテーマとした日本画を描き続ける菅かおるの神戸初個展。

まるい金魚鉢を上から眺めるように描いた『まるい小宇宙』シリーズ、水面のはざまに夜空の星々が輝く『光+水=』(2010)など、透明な水を媒介に水上と水底の世界が重層的に描かれ、絵画に奥行きと広がりがもたらされている。また、鮮やかな岩絵の具や金箔の使用により、刻々と変化する水を幻想的に描き出すことに成功している。

かつてクロード・モネは、池に浮かぶ睡蓮や水中に繁殖する水草、水面に映る樹木や空を混然一体に描き出したが、菅もまた日本画によって「水」に新しいかたちを与えようとしているようだ。


関連情報


| EN |