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伊庭靖子 展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 9月 26日

画像提供:MA2 Gallery|Copyright © Yasuko Iba

2006 年の当ギャラリーでの個展以降、2009 年「まばゆさの在処」 (神奈川県立近代美術館、鎌倉)でこれまでの代表的な作品が展示された個展、2010 年「椿会展」 (資生堂、東京)での展示など、いま最も注目されている作家のひとりです。

伊庭はクッションや器などの日常的なモチーフを、自ら写真に撮り、そのイメージを素材としてキャンバスに描きます。作家によって意識され描かれた、滑らかなその陶器の光沢や、布の表面の質感から、わたしたちは手触りや、柔らかさ、果物ならば美味しさやみずみずしさなど、日常では見逃してしまいそうなモノの在り方を感じることができます。あたかも「感覚」そのものを見ているかのようです。

2003 年頃から描かれていた白く無地の布団や枕から、近年は模様のあるクッションがモチーフとなり、模様が大事な要素となりました。「感じたい質感が模様によって遮られると、その質感のみを得ようと意識する」、「模様によって気付かされるものの輪郭がある」、と伊庭がいうように模様を描くことによって伊庭の意識は更にひろがり、‘見える’世界がつねに更新されて、新たな作品が生み出されています。

本展では、描かれるクッションや陶器の模様の入り方がこれまでより細かくなります。模様が細かくなる事で、表面のレイヤーが深くなり、物を愛でる時のように「見る、感じる」ことを更に強く意識させてくれる世界になっていることでしょう。

「絵ではなくて物に近づいている」という伊庭の新作を是非ご覧下さい。

全文提供: MA2 Gallery


会期: 2010年11月20日(土)-2010年12月18日(土)

最終更新 2010年 11月 20日
 

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