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ジム・リー:The Deep Inside
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 9月 13日

画像提供: Motus Fort |Copyright © Jim Lee

Motus Fortでは初の個展となるジム・リーの本展覧会では、様々なメディアを横断したハイブリッドな絵画作品を展示いたします。彼の抽象的な作品は、ひねりを 効かせたユーモアで、私たちの認識の問題について表現しています。光沢のある表面、キャンバスの後ろにむきだしになった立体的な木の骨組み、精緻な筆づか い。これらの特徴がギャラリー空間にあらわれ、どこか謙虚でローテクな魅力を放っています。

ジ ム・リーの作品は、構成、色、空間、といった形式を強調する一方で、その形式という従来の枠組みを無視し、逸脱しているようでもあります。工業製品や消耗 品といったガラクタの熱心なコレクターであるリーは、これらの素材から意味ありげで何気ないオブジェを作り上げます。そしてこのオブジェを目にした観客 は、そこに何が表現されているのか詳しく観察するようにうながされるのです。リーは、アートの形式を持つオブジェとは思えない作品へと、解体し、留め合わ せ、世界を再解釈する手段として作品を制作しています。彼の作品に入り込む偶然や失敗は、特別な特徴や感情を伝えるものとして作動しはじめます。リーの作 品に見られる、辛辣なタイトル、スポーツからの引用、パンクで反抗的な身振りは、一見美を追求しているように見える彼の作品自体を否定しかねないもので す。また、彼の作品には、カート・シュウィッター、ブリンキー・パレルモ、リー・モートンといった過去のアーティストの影響もいくらか見られます。

ジ ム・リーの作品は、誤解も生みかねない未完のものと、すでに完成したものとの間を揺れうごき、みすぼらしいものを崇高なものへ変質させようと試みていま す。建築的なものと彼の個性が混じり合い、日常の残骸でしかなかったものが、再び私たちの対話の中へと呼び戻されていきます。彼の作品が日常的で身近なも のや方法で作られているからこそ、まるで私たちの日常にある工業製品や消耗品のように、彼の作品は私たちの身の回りに浸透していて、個人的でもあり、耐久 性のあるものだと感じられるのでしょう。

ジ ム・リーは、デラウェア大学でMFAを取得後、NYのブルックリンへを拠点とする。欧米のギャラリーおよび美術館にて展示多数。Freight + Volume (NY)、Nicelle Beauchene Gallery(NY)、White Flag Projects(セントルイス)、CRG Gallery(NY)、The University of the Arts(フィラデルフィア)、Neuberger Museum of Art, Purchase(NY)、 La Station(ニース)、FDC Satellite(ブリュッセル)、Daimler Contemporary and Galerie Markus Winter(ベルリン)。また、現在はホフストラ大学とクイーンズカレッジで教鞭をとっている。

※全文提供: Motus Fort


会期: 2010年9月10日(金)-2010年10月16日(土)

最終更新 2010年 9月 10日
 

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