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上村松園 展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 8月 31日

≪母子≫ 1934(昭和9)年 東京国立近代美術館蔵

京都で生まれ育ち、京都府画学校に進み、鈴木派の鈴木松年をはじめ四条派の幸野楳嶺、竹内栖鳳に学んだ上村松園。若くしてその頭角を現し、文部省美術展覧会(通称文展)など各種展覧会に出品、気品あふれる人物画を次々と生み出しました。

松園は、浮世絵をはじめとする古画や伝統芸能、古典文学などの幅広い知識を土台とし、市井の人々の営み、歴史や物語、謡曲などに題材を採ったさまざまな作品を描きました。そこには女性が数多く登場しますが、単なる女性美を表そうとしたのではありません。画中の人物の心情に寄り添うかのようにあたたかな眼差しで対象を描くこともあれば、人物の心の奥底に渦巻く情念を静かに描き出すこともありました。

近世初期風俗画や浮世絵など人物表現の伝統の厚みを受け止める一方で、対象の内面や精神性の表現が追求された近代という時代と向き合い、自分ならではの人物画を模索したのです。

本展覧会では、松園の画業を大きく3期に分け、代表作を含む約100点の作品によって軌跡をたどるとともに、その本質を改めて探ります。


会期: 
(東京国立近代美術館)2010年9月7日(火)-2010年10月17日(日)
(京都国立近代美術館)2010年11月2日(火)-2010年12月12日(日)

最終更新 2010年 9月 07日
 

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