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北城貴子:Circulation of the light
Editor's Note
Written by Takeshi HIRATA   
Published: August 04 2010
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     2006年の大原美術館におけるレジデンス以降、より具象性が増した瑞々しい作品を手がけている北城貴子の新作個展が大阪・ギャラリーノマルで開催されている。
     今回の個展では200号2点を中心に約13点が展示されている。これまでの余白を生かした作品からすると画面を覆いつくす色彩に戸惑いを覚えなくもない。だが、眩しいくらいに色と色の重なりが密度を生み出し、目眩を覚えるような光の絵画が生まれている。それは植物を見ていたはずなのに、気がつけば白や緑、紫の絵の具の筆触を見ていたと気がつくような、絵画とイリュージョンの狭間のレイヤー層に視線が微妙な階層移動をするような絵画経験である。
     本展を見る際には作品から距離をとって見てみてほしい。近距離では得られない全体と部分が作り出す光の循環を見ることができるだろう。

Last Updated on August 04 2010
 

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