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片岡昌:超次元アートと『ひょうたん島』
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 7月 12日

画像提供:池田20世紀美術館

「ひょっこりひょうたん島」の劇人形作家としても知られる多才なアーティスト、片岡昌の縦横無尽な芸術作品制作を俯瞰する、初の大規模回顧展。「人形劇団ひとみ座」で制作され、日本の人形劇史に大きな影響を与えた人形群と共に、平面や立体といった枠組みを超えた『超次元アート』とでも言うべき、遊び心に溢れる作品群を展示し、片岡昌の知られざる多面的な業績を明らかにします。

片岡昌は『ひょっこりひょうたん島』(NHK、1964年~69年)の劇人形作家としても知られる、多才なアーティストです。1950年から川崎市にある人形劇団ひとみ座で人形を制作する傍ら、アーティストとして様々な立体や平面の作品を制作し、1976年以降活発にギャラリーでの個展やグループ展、美術館の企画展に出品し、作品を発表してきました。非常に多作な作家でもあり、その作風の幅の広さは類を見ない程です。自由でユーモラスな作風でありながら、二次元と三次元を自由に行き来し超次元的とすら言える作品を多数生み出し、現在も意欲的に創作活動を行っています。

片岡は美術教育を受けずに、独学で劇人形作家として創作活動を始めました。そのため、美術界の潮流とは一線を画し、芸術運動や流派に所属することなく、自由な発想で創作活動を行ってきました。劇人形作家として創作活動を開始したという出自は、純粋芸術を上位に据える美術業界における彼の立ち位置を辺境的なものにしてきたともいえるでしょう。しかしながら、視覚現象としての人々の意識や無意識への影響力を考えれば、テレビというポピュラーなメディアで『ひょっこりひょうたん島』というヒット作を手がけた、片岡の存在の大きさを無視する事はできません。彼自身、創作活動の中で、劇人形制作と立体や平面の作品を制作する事に特別の区別はしておらず、それ故無所属であるがゆえの、自由に満ちた豊かな作品群を生み出す事ができたのでしょう。

今回の展示では多くの人に愛される劇人形作家という側面と同時に、鑑賞者を驚かせる数々の芸術作品を創作してきた片岡昌の包括的な創作活動を俯瞰します。

作家HP: http://akirakataoka.com

※全文提供: 片岡昌アーカイブ・プロジェクト


会期: 2010年7月1日(木)-2010年10月5日(火)

最終更新 2010年 7月 01日
 

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