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柴田主馬:体感性の圧力
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2010年 7月 01日

画像提供:モリユウギャラリー

「遍在する世界の姿を、「圧力」を描くことで露わにしたい。
例えば、私は<工事現場>に遭遇する際に、状況を「圧力」として体感します。
そこ では混在する運動性が様々な事象を誘発し、時としてハッと、幾層もの風を不意に受けとめるような「圧力」 として体感します。
塊にもなり揺らめきもする 世界の姿を、 事象が世界を吹き抜ける際の「圧力」を通して表現 していきたいと考えています。」
ー柴田主馬ー

「遍在する世界の姿を、「圧力」を描くことで露わにしたい。」

柴田の絵画には幾多もの線が描かれます。その直線・曲線の群れは、目だけでなくも皮膚にも訴えかけてくる、謂わば視触覚的なものです。

柴田が描くのは、風や空間の揺れ、音などを含んだ、我々それぞれ個人個人が知覚できるか否か微妙ではありながらも、確実に存在する「ある世界」です。

柴田の前に立ち上がってくる「世界」の「圧力」に対し、彼は押し潰されぬよう抵抗するが如く、自らの「圧力」をもって押し返しながら描いている、そのように考えられはしないでしょうか。結果、「世界」と柴田の間でマグマのように隆起した図が、特殊な遠近法を纏いながら、我々鑑賞者の前にたちあがってくるのです。それはただ決して視覚に重くなく、視触覚においてのみ「圧力」として感じられるのではないでしょうか。

是非、柴田の描く「世界」をじっくりご高覧ください。

柴田主馬
1980年 大阪生まれ
2005年 京都市立芸術大学美術学部卒業

※全文提供: モリユウギャラリー

最終更新 2010年 7月 02日
 

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