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垣本泰美:繭の時間
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 6月 07日

画像提供:The Third Gallery Aya|© Hiromi Kakimoto

デビュー以来、少女の持つ不安定な存在感を捉える作品をずっと作り続けて来た垣本はその不安定な女性性と、少女の、だからこそ何かを超える存在に魅せられてきました。今回は少女達をどこかに存在するかもしれないパラレルワールドの住人であり、生と死、現実と非現実の仲介者としての役割を持つと位置づけ、いくつかのイメージには海、花、月、など女性の象徴的モチーフを介在させ、神話的物語としてヴィジュアル化することで、少女性に内包される2つの側面を意識する事を試みました。この新しい展開をご期待下さい。

ある朝目覚めた時、昨晩の夢に出てきた“ボロニー族の少女”というこの言葉が妙に印象的に残っていた。その後調べてみても、特に該当するものに出会わず、夢で見た内容も忘れ去り、“ボロニー族の少女”という言葉だけが中ぶらりんに残ってしまった。

記憶の中を探っても「ボロニー族の少女」というその言葉がどこから来たのかはわからず、ただ何か特別なもののような気がして、私はしばらく、その少女達について思いを巡らせた。

----- そこでは少女達がシャーマン的役割を与えられ、初潮を迎える時まで、世界と世界の向こう側と交感する媒体として存在していた。

生と死の中間に位置づけられた彼女達は特異な時間と空間に幽閉され、ただ解放の時を待った。-----

時には無意識の世界からの信号に思いを巡らし、そこから広がる世界に耳を傾け、様々な境界について考えてみる。

垣本泰美(KAKIMOTO, Hiromi)
1976年 大阪生まれ
1997年 日本写真映像専門学校卒業
1999年 成安造形大学造形学部デザイン科写真専攻卒業
2002年 上野彦馬賞受賞

個展
2005年 「Little World」The Third Gallery Aya (大阪)
2002年 「Little World」日本写真映像専門学校ギャラリー308 (大阪)
2001年 「Little World」The Third Gallery Aya (大阪)
1999年 「巡り返しの記録」The Third Gallery Aya (大阪)

グループ展
2005年 「さよなら、写場写場ありがとう展」Calo bookshop and cafe(大阪)・「写真の現住所を読む4人の企画展/女性そして蜃気楼」ハンミ写真美術館(ソウル/韓国)
2003年 「女の遊戯展」z platz museum(福岡)
2002年 「家族、幻想 - Family , Fantasy」photographer's gallery(東京)
2001年 「骨のない魚、音のない風、闇のない物語」清里フォトアートミュージアム(山梨)
1999年  写真展「人間の街」プロジェクトPart.2 Guardian Garden(東京)
1998年 「12人の写真展」同時代ギャラリー(京都)・「1995-97年度ヤング・ポートフォリオより」清里フォトアートミュージアム(山梨)
1997年 「写真アンデパンダン展」東川町文化ギャラリー(北海道)
1996年 「Naked Emotion」プラネットホール(大阪)

収蔵
清里フォトアートミュージアム・日本写真映像専門学校

※全文提供: The Third Gallery Aya


会期: 2010年6月7日-2010年6月26日

最終更新 2010年 6月 07日
 

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