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塩崎優:Jungle Project!! - Johnny come lately -
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 6月 03日

画像提供:モリユウギャラリー, © Yu Shiozaki

Jungle Project!!とは、次世代のMORI YU GALLERY所属作家を発掘していこうというプロジェクト。未開のジャングルを抜けて、MORI YU GALLERYへと辿り着けるか否かのサヴァイヴァルプロジェクトです。

「溶解しているものを析出するため、薄いセロファンを浮かべて、そこに出来た皺を抽出する。
干からびたセロファンを水にもどして、中身が何だったかを見る。
絵画とは標本のようなもの。」
ー塩崎優ー

今回取り上げる塩崎(1980年生まれ)は、京都市立芸術大学を卒業し、ゆっくりとしかし着実に絵画を描いてきました。鑑賞者は、彼女の絵画を観た瞬間、すぐには何が描かれているのか判別し難いかもしません。しかし、しばらくすると一枚の絵の中に色々な時間・場所が描かれていることに気付くでしょう。

彼女の絵画に描かれているようにみえる洞窟の出口のようなもの。一人歩く人。森か海か洞窟か。そこでは、塩崎自身の、どこかほかの世界へいってみたいという欲望といままだここに居続けたいという思いが綯い交ぜになり、彼女が想い描く時間と場所の痕跡が描かれているのかもしれません。彼女の想像や記憶に特別なセロファンを浮かべてできた皺。そんなものとしてキャンバスの上に絵画が落とし込まれています。ある種実験的な行為として、絵画へのアプローチを試みながらも、塩崎の絵画にはどこか日本画の影響があるように見えます。

セロファンをそっと水に浮かべるように、そしてそれをまたそっと掬うように、瑞々しい画面。塩崎の絵画には、日本の風景が持つ懐かしい光景がどこか存在するのです。

※全文提供: モリユウギャラリー


会期: 2010年6月5日-2010年6月26日

最終更新 2010年 6月 05日
 

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