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東恩納裕一:fluorescent
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 4月 28日

“Untitled (fl.s.d-021)” アクリル、スプレーペイント、コラージュ、紙 | 54x38cm | 2009 | ⓒYuichi Higashionna | Courtesy: Yumiko Chiba Associates

今回の展示は、2001 年から継続している“Flowers”シリーズ(絵画)からパラレルに派生した、新作カラー版画(リトグラフ)と、その版画制作のヒント/切掛けとなった新作ドローイング、両作品をお披露目するものです。

両作品においては、モチーフ(造花とチェーン)を描画するのではなく、その痕跡をダイレクトに写し取る実験的な技法が採用されています。型取りされるイメージ、そこには偶然に発掘された化石のような生々しさと驚きがあります。

版画作品について
2007 年の銅板アクアチント以来の版画制作、初のカラー作品となります。今回、表現されるモチーフとは別に、隠れたモチーフとして“鏡”(シンメトリックな構図・光など)が暗示されます。鏡はすべてのイメージを写し込むだけでなく、(シンデレラの継母の鏡がそうであったように)、私たちの欲望をも写し込む点で絵画を思わせ、私たちを魅了/畏怖させます。

ドローイングについて
モチーフのネガ・ポジのシルエットが混在する画面は、アクリルとラッカースプレーの併用から生み出されたものです。ドローイングはタブロー(キャンバス絵画)のための準備・演習と思われがちですが、今回の作品は絵画(”Flowers”)から事後的に生み出された、絵画が準備した倒錯したドローイングとも言えます。

東恩納 裕一
アーティスト。東京生まれ、東京在住。 90 年代はじめから日常に遍在する “ファンシーなもの”をモチーフに、そこに潜む「不気味さ」を表現する。代表作としてシャンデリアシリーズ、造花やチェーンをスプレーペイントで型取ったFL(Flower)シリーズ他。主な個展に「Hina-Gata」NADiff/東京(2000)、Marianne Boesky Gallery Project Space/New York(2008)、「refract!」Calm & Punk Gallery/東京(2008)、「Light Bright Picnic」世田谷美術館廊下/東京(2003)。主なグループ展として「六本木クロッシング2007 未来への脈動」森美術館/東京(2007)、「愉しき家」愛知県美術館/愛知(2006)。他、コム デ ギャルソン、メゾンエルメスなど、店舗のアートワークも手がける。2009 年には花のペインティングと版画作品とそこからインスピレーションを得た8つのエッセイからなるアートブック『Yuichi Higashionna Flowers』をトゥルーリングより刊行。

アーティストトーク「東恩納裕一、紙の仕事を語る」
日時:2010 年6 月11 日(金) 18:00〜19:00、会場:NADiff a/p/a/r/t 1F 店内、スピーカー:東恩納裕一(現代美術作家)加山智章(エディション・ワークス プリンティングディレクター)カワイイファクトリー|原田環+中山真理(編集・執筆ユニット)、入 場 料:無料(予約不要)※30 名様以降は立見となる可能性がありますのでご了承ください。

※全文提供: ユミコ チバ アソシエイツ


会期: 2010年6月2日-2010年7月11日

最終更新 2010年 6月 02日
 

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