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森末由美子:ある日静かに
編集部ノート
執筆: 田中 みずき   
公開日: 2010年 3月 08日

作品を観ながら、くすりと笑ってしまった。
会場には、本や調味料、歯ブラシ、軍手など、日常生活でよく目にするものが並んで居る。しかし、よく見ると、並べられた本は倒れる動きを表すように上部削られ、塩の瓶には外側ではなく中の塩にラベルの模様が描かれ、並んだ2本の歯ブラシは毛が繋がっている。モチーフの印象はしっかりと捉えながらも、作者のウィットに富んだ視点が「製品」を「作品」へと昇華させていく。同時に、発想だけに頼らず、滑らかに削られた本の質感や、針金を文字形に曲げて作った小さな作品の佇まいなど、物としての美しさも兼ね備えられていて気持ち良い。
出合ったばかりの人とも一緒に楽しめそうな展覧会、気軽に寄って気分転換になりそうだ。

最終更新 2010年 6月 27日
 

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