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伊藤公象:秩序とカオス
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 8月 11日

陶造形の作家として今もキャリアを積んでいる伊藤公象の大規模回顧展。土を素材にその収縮や亀裂といった自然現象を取り入れた作品が空間に応じて展示されているが、注目すべきはその展示空間が企画展示室B2Fだけではなく、屋外であるパブリックスペースの中庭も含まれている点だ。ただ、アトリウムや中庭などのいわゆるホワイトキューブではない、床や壁面の素材が存在感を放つ空間で展示される作品と、白を基調にした空間に展示される作品の見え方はどうしても異ならざるをえない。後者を見てしまうと、前者のノイズが気にかかるのだ。そうは言っても展覧会が終止一貫したイメージを保つのは、何より作品の力による。

最終更新 2015年 11月 03日
 

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