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東恩納裕一:Venezia/Tokyo
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 4月 27日

Yuichi Higashionna “UNTITLED” ヴェネツィアグラスシャンデリア、蛍光灯、コード 85×85×90cm, 2010

今回の展示は、昨年10 月、ムラノ(ベネチア)のガラス工房/Berengo Collection *1 からの招待により同地に滞在、同工房とのコラボレーションによる成果の一端をお披露目するものです。
  同コラボレーションで目指したことは、ベネチアガラスが持つ素材特性・伝統と、私の作品(モチーフ、制作意図)のとの間に何らかの接点を見いだすことでした。が、それは、ガラスという未知の、魅力ある素材に過度に依存したくない、ガラスへの抵抗だったとも言えます。
  同コラボの初の成果となる“ベネチアシャンデリア”(展示予定作品)は、ベネチアの伝統的ガラスシャンデリアと、従来から私がモチーフとしてきた蛍光灯*3 を合体させたハイブリッドであるという点で、このコラボをもっとも象徴する作品であると思います。
  *1.)Berengo Collection は、ヤン・ファーブル、トニー・クラッグをはじめ、多くの現代アーティストとのコラボレーション、展覧会企画*2を手がけてきたユニークな工房。
*2.)昨年6 月〜10 月、ベネチアビエンナーレと同時期に開催された“GLASS STRESS”展は、20世紀〜現代までの、コンテンポラリーのガラス作品を集めた企画。
*3.)日本の“蛍光灯文化“、日本人の蛍光灯好きから触発されたモチーフ。2001 年以来、蛍光灯シャンデリア・シリーズを展開中。 東恩納 裕一
アーティスト。東京生まれ、東京在住。 90 年代はじめから日常に遍在する “ファンシーなもの”をモチーフに、そこに潜む「不気味さ」を表現する。代表作としてシャンデリアシリーズ、造花やチェーンをスプレーペイントで型取ったFL(Flower)シリーズ他。主な個展にMarianne Boesky Gallery Project Space/New York(2008)、「refract!」Calm & PunkGallery/東京(2008)、「Light Bright Picnic」世田谷美術館廊下/東京(2003)。主なグループ展として「六本木クロッシング2007 未来への脈動」森美術館/東京(2007)、「愉しき家」愛知県美術館/愛知(2006)。他、コム デ ギャルソン、メゾンエルメスなど、店舗のアートワークも手がける。2009 年には花のペインティングと版画作品とそこからインスピレーションを得た8つのエッセイからなるアートブック『Yuichi Higashionna Flowers』をトゥルーリングより刊行。
  ※全文提供: ユミコ チバ アソシエイツ

最終更新 2010年 5月 18日
 

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