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奈良美智:セラミック・ワークス
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 4月 22日

画像提供:小山登美夫ギャラリー copy right(c) Yoshitomo NARA

【作品紹介】
奈良美智がドイツで制作を学んでいた頃、アカデミーの教師だった画家のA.R.ペンクは、彼の作品を「天使」と呼びました。奈良が描き続ける子供たちの姿には、子供ゆえの純粋さと残酷さ、孤独と、それを正面から受け止めようとするひたむきな強さがにじみ出ています。誰しもが自分の姿を重ねずにはおれない普遍的な幼いポートレートが、近代絵画から続く伝統の中で描かれるのに対して、日記のように描きとめられるドローイングでは、作家自身が日常の中で覚えるよりヴィヴィッドな感情が、時にはロックの歌詞や独り言のようなフレーズと共に次々と焼き付けられていきます。03年から始まった、YNG(Yoshitomo Nara+graf)としてのコラボレーションでは、作家のアトリエを模した小屋などを制作しながら、作品が生まれて来る場所のオリジナルなあたたかみを、観客と共有する試みも続けています。
  【この展覧会について】
本展では、信楽の<滋賀県立陶芸の森>で昨年2月から滞在制作された、陶器の立体作品を中心に展示いたします。これまで木彫やFRPでの立体制作を主としてきた作家が、1年以上取り組んで来た新たな試みで、陶器作品をシリーズとして公開するのは、本展が初めてです。大小取り混ぜた様々な立体と、ドローイングも組み合わせて展示される予定です。
  【作家プロフィール】
奈良美智は1959年青森県弘前市生まれ。87年愛知県立芸術大学大学院修了。その後ドイツへ渡り、93年ドイツ国立デュッセルドルフ芸術アカデミー修了。05年からは、栃木を拠点に制作活動を行っています。小山登美夫ギャラリーでは、03年の『new drawings』以来、5度目の個展となります。主な個展に『I don't mind, if you forget me.』(01年、横浜市美術館から全国巡回)、『Nothing Ever Happens』(03年、クリーブランド現代美術館から全米巡回)、From the Depth of My Drawer』(04年、原美術館、東京から全国/ソウル巡回)、『Yoshitomo Nara+graf A to Z』(06年、吉井酒造煉瓦倉庫、弘前)、『Moonlight Serenade -月夜曲』(06年、金沢21世紀美術館、石川)、『Yoshitomo Nara + graf』(08年、BALTIC Centre for Contemporary Art、ニューカッスル、イギリス)などがあります。グループ展にも世界各国で参加、近年では第6回アジア・パシフィック現代アートトリエンナーレ(09年、Queensland Art Gallery and Gallery of Modern Art、ブリスベン、オーストラリア)、『絵画の庭─ゼロ年代日本の地平から』(10年、国立国際美術館、大阪)などに出展しました。
  ※全文提供: 小山登美夫ギャラリー

最終更新 2010年 5月 15日
 

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