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カール ストーン:Han Bat
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 4月 06日

画像提供:art space kimura ASK?

‘Han Bat’は新しいマルチ・チャンネル・システムを使用したインスタレーション/パフォーマンス作品でカールストーンの最新作である。初演は2008年6月6日、パリのMaison de Radio FranceでElectroacoustic Music Studies Conference(GRM ,Sorbonne後援)の一環として行われた。そして第二回公演が、名古屋の中京大学C-Square Galleryで6月30日より始まる。これ以降、京都のShin-Bi Gallery,ニューヨークのDiapason Galleryが予定されている。 ‘Han Bat’は専用の8チャンネル、ポータブル・レコーディング・システムで録音され、環境芸術的要素と野外録音を組み合わせ、日本/タイ/アメリカで制作された。サウンドのプロセッシングとスペシャライゼーションはMax/MSPを用い、ヒトが干渉する事なく、アルゴリズミック・ソフトウェア・プログラムで加工処理され、インスタレーションの為の太陽位置にリンクする。パフォーマンスではストーンが介在し、プロセッシングを導き追加的要素を付け加える。 ‘Han Bat’で使われている、種々の野外音源を録るにあたって使用されている特別な8チャンネル、ポータブル・レコーディング・システムはストーンと中京大学情報理工学部教授、大泉和文氏とのコラボレーションで、二台の4チャンネルレコーダーに専用にデザインされた、携帯に便利な軽くて小さい棒に8個のセパレートマイクが繋がれた物が搭載されている。 カール ストーン略歴
カール ストーンは現在のコンピュータミュージックの先駆者の一人であり、ヴィレッジボイス誌は『サンプリングの王者』『現在のアメリカで最も優れた作曲家の一人』と賞賛している。彼は1986年からライブパフォーマンスでコンピューターを使用している。ストーンはロサンジェルスで生まれ、現在はサンフランシスコと日本を拠点に活躍している。カリフォルニア芸術大学で、Morton Subotnick, James Terryに師事し、1972年から電子アコースティック音楽の作曲を始めたが、この分野は殆ど彼の独壇場である。その作品は、アメリカ・カナダ・ヨーロッパ・アジア・オーストラリア・南米・北東アフリカなどで演奏されており、演奏活動の他に作曲やコンサートツアーも行い、日本の中京大学情報理工学部情報メディア工学科の教授でもある。 'Hop Ken'に対するフリーマン賞、National Endowment for the Arts,ロックフェラー財団、パフォーマンスアート基金など名だたる数々の賞の受賞者でもある。1984年、ロサンジェルスオリンピックアートフェスティバルでの初演作品作曲を委託され、同年ダンサー/コレオグラファーであるBill.T.Jonesの作品'production1-2-3'の音楽にも採用された。1989年にはAsian Cultural Councilの招聘で日本に6ヶ月間滞在し、同年LACMAよりラジオシリーズ'Territory of Art'の一環として新作の‘Thonburi'を委託される。1990年、西ドイツのテレビ局ZDFの60分番組'Made in Hollywood'の音楽を担当した。1991年、赤尾三千子('She Gol Jib'竜笛と電子音楽)、吉原すみれ(打楽器と電子音楽)、ソニーPCL('Recurring Cosmos'HDビデオと電子音楽)などの音楽を手がけ、この作品はスイスでの国際電子映画フェスティバルで特別栄誉賞を受賞した。1993年、 Reader's Digestの'Meet the Composer'プログラムにより、Paul Dresher Ensembleの為に‘Ruen Pair'を作曲する。1994年には神戸のString Plus Festival でストリングカルテットの為に'Mae Ploy'を作曲し、また同年原田節と高橋アキの要請によりオンドマルトノとピアノの為の‘Bahn Mi So'を作曲する。
1995年、NTTジャパンのインターネット上でのIC95の一環として'Yam Vun Sen'を作曲する。1996年、コレオグラファーJune Watanabeと能楽師内田安信とのコラボレーションの為に、ロックフェラー財団支援のもと能音楽を作曲する。1997年、Bay Area Pianists and Cal Performanceの要請によりUC BerkeleyのHenry Centennial Celebrationの一環としてディスクラヴィアとピアノの為に'Sa Rit Gol'を作曲する。他のフェスティバル参加としては1997年、Other Minds(サンフランシスコ)、Ton Art(ベルン)などが挙げられる。1999年、ロックフェラー財団Scholar-in-Residenceとしてバラッジオ研修会議センターに招聘され、2001年、日本のIAMASにArtist-in-Residenceとして滞在し、同年、中京大学情報科学科教授に就任する。 カール ストーンの音楽作品は、ニューアルビオン・CBSソニー・東芝EMI・EAM ディスクス・ウィザードレコード・トリグラム・t:meレコーディングス・ニュートン・イントーン・アンシーンワールド レーベルなどから発売されている。 カール ストーンの音楽は小池博史・笠井叡・Bill.T.Jones・山田せつ子・Ping Chong・June Watanabe・木佐貫邦子・Rudy Perez・Hae Kyung Lee・Blondell Commingsなど数多くの演劇監督・コレオグラファーに使用されている。また共演者としては高橋悠治・沢井一恵・高橋アキ・Sarah Cahill・Haco・Dorit Cypis・赤尾三千子・Stelarc・ze'v・Bruce and Norman Yonemoto・Tosha Meisho・大友良英・Katheleen Rogers・Min Xiao-Fen・Mineko Grimmerなど多数に及ぶ。 カール ストーンは1992年〜1995年American Music Centerプレジデント、1981年〜1997年Meet the Composer/California ディレクター、1978年〜1981年ロサンジェルスKPFK-FM音楽監督などを務める。また1994年〜2001年にはアメリカBay AreaのKPFA-FMのラジオ番組を担当したり、日本のサウンド&レコーディング誌レギュラーコラムニスト、Other Minds・New Music ウェブサイト・John Cage Trust 公式ウェブサイトのウェブエディターなどを担当する。2007年からは、American Music CenterのNew Music Box Websiteを開始し、その活動は多岐に渡る。
http://www2.kb2-unet.ocn.ne.jp/ask/2010/carl.htm
※全文提供: art space kimura ASK?

最終更新 2010年 4月 05日
 

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