展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2010年 2月 06日 |
純粋な視覚表現としての「グラフィック」を追求する稲葉英樹の個展
国内外で高い評価を受けるグラフィックデザイナー稲葉英樹が福岡・アルティアムに登場。時代を画したアート&クリエイティブマガジン誌上で革新的なデザインを展開し、グラフィックの可能性を大きく拡大してみせた稲葉は、コンピュータをツールとして表現を開始した第一世代である。多くのデザイナーが美術系大学出身であるのに対して、稲葉は大学では理工学を専攻している。
そして今回のテーマはプリント。稲葉の作品のアウトプットは絵筆でもカメラでもRGBのモニタでもない。コンピュータの中で生成したイメージを印刷という技術を介して“美”を出現させる。
"NEWLINE 2" 2005 ©Hideki Inabaこれは従来のアートとは対極にあるとされてきた印刷物を駆使したエキシビションである。自身の表現を0と1の集合体以上の高みに引き上げる稲葉の緻密で周到なマジックであり大胆なファンタジーでもある。絵画でも写真でもなく、ファッションでもプロダクツでもなく、そしてwebでも映像でもない、"グラフィック"の芸術表現を追求してきた稲葉の今回の展覧会は、あらゆるジャンルのビジュアル表現に関心を持つ人々にとって必見だろう。
稲葉英樹 Hideki Inaba 90年代後半より『+81』『SAL magasine』などのデザインを手がけ、その革新的なデザインで一躍注目を浴びる。04年よりソロエキシビジョン「NEW LINE」を開催。ドイツred dot awardにてコミュニケーション部門最高賞受賞(2004年)。06年、作品集『~NEWLINE』を出版。07年にはshu uemuraとの共作によるコレクション『BTB24-graphic design by hideki inaba』を発表。同時にソロエキシビジョン「GRAPHICLINE」を開催。自身の作品がアートブックの老舗Taschenの人気書籍『Graphic Design Now』(2005年)のカバーにも選ばれるなど国内外から高い評価を受ける。08年、南アフリカ・ケープタウンにて開催された国際デザイン会議「デザインインダバ11」に招聘。パリ・ルーブル宮のフランス国立装飾美術館「kansei」展に『Print Line by Hideki Inaba』を出品。
※全文提供: 三菱地所アルティアム
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最終更新 2010年 2月 19日 |