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新宮さやか:陶黒い蝕花
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2010年 2月 05日

《枯れた時間の蝕》2009年 左H22×w52×D52cm 右H35×W41×D38 cm 画像提供:INAXギャラリー copy right(c) Sayaka SHINGU

新宮さやかの作品は花や実のかたちをした黒い陶のオブジェです。 その特徴は、本来色とりどりである植物がモノクロ写真のように黒色に置き換えられていること、花芯などの部分が独特の針状のもので埋め尽くされ、別の生きもののような生命力を感じさせることです。 針状の部分は、風に波立つようにうねるかたちがダイナミックで、大きなムーブメントを感じさせます。フォルムはハスの葉や実、ダリヤやカメリアなどを思わせますが、いずれも30cmほどの大きさがあり、熱帯ジャングルの巨大植物のような迫力です。一方で黒く乾いて枯れた色合には死を連想させる暗いイメージがあり、生と死の両面を合わせもった不思議な作品です。 新宮さやかは美術大学で陶芸を学び12年になります。 黒色の理由には、やきものの儚いイメージを払拭する強い存在感をつくりたかったと話します。また飽くことなく何千本とつくられる針状の部分は、装飾から始まり、今では柔らかな触感を象徴するものとして、土をモチーフとして制作をする醍醐味を感じています。 今展はこれまでに公募展などで受賞を重ねながら、東京では個展を開催してこなかった新宮の発表の機会となります。黒一色でありながら艶やかな存在感を放つ、新宮の作品をぜひ会場でご覧下さい。 作家略歴
1979 大阪府生まれ
2001 大阪芸術大学芸術学部工芸学科陶芸コース卒業
2002 滋賀県立陶芸の森 創作研修間 個展:
2005 ギャラリーマロニエ4(京都)
2006 ギャラリーマロニエ4(京都)
2007 立体ギャラリー射手座(京都) ※全文提供: INAXギャラリー

最終更新 2010年 2月 05日
 

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