1551年創業の板室温泉 大黒屋は、湯治場として長い歴史を誇る一方で、現代美術を経営に取り入れた全国でも無二の温泉としてもよく知られる。

「保養とアートの宿」のコンセプトに相応しく、館外、館内の至るところに現代アートの逸品が展示され、季節に合わせての展示替え、個々の作品を活かした丁寧な配置にも見られるように、まさに住と美を融合させた機会を創造していると言えるだろう。

月毎に企画される展覧会では、著名作家から新人作家までを幅広いジャンルで紹介し、屋内、屋外を縦横無尽に活用した展示を行う。また、2008年に温泉の黄土を用いて建設された「倉庫美術館」では、菅木志雄の膨大なコレクション作品を一般に公開している。

また2005年から毎年開催されている「大黒屋現代アート公募展」は、国内外から多数の作家が参加、次世代の有能な若手作家を発掘する場としても高い評価を得ている。

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