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ダン・グラハム 展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 1月 25日

Pavilion for travelling Sonic Youth exhibition Sensational Fix, 2008-2009 画像提供:タカ・イシイギャラリー copy right(c) Dan Graham

 

But comedy – the key to my work is pretty much parody and comedy.
でもね、私の作品において鍵となるものがパロディーとコメディーなんだよ。
-ダン・グラハム
‘Interview with Dan Graham by Kim Gordon’, DAN GRAHAM: BEYOND, The MIT Press, 2009, p.176

タカ・イシイギャラリーは2 月20 日(土)より3 月27 日(土)まで、現代美術の先駆者であるダン・グラハムのギャラリー初個展を開催いたします。1942 年に米国イリノイ州・アラバマに生まれ、現在ニューヨークを拠点に活動するグラハムの作品は、世界各地で大規模に紹介され、プライベート/パブリックを問わず数々のコレクションに収蔵されています。直近では、ベネット・シンプソンとクリシー・アイレスのキュレーションによる回顧展「Dan Graham: Beyond」がウォーカー・アートセンター(ミネアポリス)にて開催中です(同展はロサンゼルス現代美術館、ホイットニー美術館(ニューヨーク)から巡回)。日本国内においては、2004 年に千葉市美術館にて初の個展「Dan Graham by Dan Graham」が開催され、同年北九州市立美術館に巡回しました。 現代美術におけるダン・グラハム作品の重要性は、どれだけ誇張してもし過ぎることはありません。グラハムの多岐にわたる作品は、まずコンセプチュアル・アートの代表例とみなされ、次いでポスト・コンセプチュアルの拡張された現代美術の世界を予見し、現在ではその世界の牽引を担っています。建築、デザイン、音楽、批評活動、そして映画と、グラハムの複合的なアプローチは終わりのない実験であり、既存の概念に対する抵抗として存在しています。その緻密な制作作業や作品に込められた意味もさることながら、グラハムの作品の本質は衰えることのない「(fair) play*」にあるでしょう。この開放性こそが、過去30 年の現代美術における価値基準とされ、グラハムがその価値基準における第一人者とされることは、万人の意見の一致するところです。今回の個展において展示される、作家のこれまでの活動を俯瞰する作品群において、この「play」の概念は明確に見いだすことが可能です。作品群にはコミッションワークとしてギャラリーが制作を依頼したパビリオンや、複数の立体作品、新作そしてヴィンテージ・カラー写真作品が含まれる予定です。 *分野を問わない幅広い活動の意味。動詞「play」は「演じる」「遊ぶ」「演奏する」「競技する」など、幅広い意味で用いられる。「fair」は、こうしたメディアを平等に扱うグラハムの民主的な姿勢を意味している。 ※全文提供: タカ・イシイギャラリー

 

最終更新 2010年 2月 20日
 

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