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誠実な草
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 1月 10日

宮田聡志《紙》 H430xW700mm 古紙、PTPシート、紐、吸殻 画像提供:CASHI copy right(c) YSatoshi MIYATA

昨今、「草」に「若い」「男子」とつけば「草食系男子」を連想してしまいますが、今展覧会ではそのようなイメージとは真逆の、どんな風にもなびかず誠実に真っ直ぐ伸び続けるまるでイグサのようなCASHIの「草」を揃えました。

帆苅祥太郎は高くそびえ立つ聖者像のような新作の立体を、興梠優護は昨年のアートフェアULTRA002で発表したものの旧シリーズとの あまりの違いに驚く声が多かった大型油彩を、CASHI初展示となる宮田聡志は日常を漉き込んだ新作「紙」を、杉浦慶太は人気のDark Forestシリーズを黒い箱に閉じ込めた小品を、それぞれ展示致します。

■ 出展作家:帆苅祥太郎、興梠優護、宮田聡志、杉浦慶太
■ レセプションパーティー: 2010年1月15日(金) 18:00-20:00

※全文提供: CASHI

最終更新 2010年 1月 08日
 

編集部ノート    執筆:小金沢智


興梠優護、杉浦慶太、帆苅祥太郎、宮田聡志の男性作家四名によるグループ展。展覧会名を聞くかぎりでは内容を連想しにくいが、プレスリリースを読むかぎり昨今流行の「草食系男子」に代表される「草」のひ弱なイメージとは対照的な、屈強な草のそれを意味合いに込めてのことらしい。同じくかつて流行語となった「雑草魂」に近いのかもしれない。 興梠優の新作ペインティングはこれまで展開してきたポルノ的なイメージの作品群とは異なり、性から離れ、ストレートに生を意識させるものだ。杉浦の《Dark Forest》シリーズは新作ではないが、額装のフォーマットが新しい。黒いフレームに収まり、森が内包する深い闇を強調する。帆苅の新作の立体は、ただ鉱物のごとく精悍な外観で会場に聳える。CASHI初登場だが最も出品点数の多い宮田の《紙》は、およそ紙の素材らしくないジャンクまでもが漉かれ、紙になっており興味深い。 展示作品だけ見て彼らが「誠実な草」であるかどうかが判別できるわけではない。しかし期待させられる展示である。


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