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ヘルマン・ガブラー:The surface between the Two
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2009年 12月 29日

《Untitled》2009年|acrylic paint on canvas|50 x 50cm|画像提供:サナギファインアーツ

ヘルマン・ガブラーの絵画作品はオブジェクトである。しかし、そのオブジェクトとして存在するキャンバスの上にはさらにオブジェクトが描かれ、ときにテキストに並列して描かれる。そのテキストは文章や単語、名前から構成されている。それらの要素は絵画の中で個々に、それ自体で存在するが、彼の作品の鑑賞者はその要素同士が現実的かつ比喩的に相互に影響し合うという体験をすることになり、見るものに探究心を芽生えさせる。これがペインティングの不確定な表面の解釈となる。

鑑賞者は、文字通り絵画作品を形作る個々の要素を見分け、意味付ける過程において、それに魅了され、秩序の変容を目の当たりにする。さらに、そこにおける変化から作品は新たな形を生み出し、自立的に外部空間へと向かう。なぜこのようにヘルマン・ガブラーの作品は、作品それ自体で成立するのだろうか。答えは作品そのものが語っている。
- ハンス・ユルゲン・ハーフナー -(美術評論家) 

ヘルマン・ガブラーはドイツ、オランダを中心に活躍をするアーティストです。繊細で奇妙な構成の画面は、作品と鑑賞者との間に或る種の距離感を生み出し、かつ探究心を呼び起こさせます。謎めいた画面から何を感じるとることが出来るのか、それは鑑賞者個々の思考を確実に揺さぶるものとなるでしょう。今回は彼の日本初個展となり、6点のユニークな絵画作品により構成されます。 なお、今回の展覧会は今年の6月の回廊以来、写真展を連続して企画して来たサンギファインアーツとしては初めての絵画作品の展覧会となります。 ヘルマン・ガブラー略歴:
1958年ドイツ、フルト生まれ、現在ドイツ、ベルリン及びオランダ、アムステルダム在住。
1986-88年ライクスアカデミー(オランダ、アムステルダム)を修了。
1990年よりリートフェルトアカデミー教授(オランダ、アムステルダム)。
2002年よりクンストブンカー、プログラムコミッティ、キュレーター(ドイツ、ニュルンベルク) ※全文提供: サナギファインアーツ

最終更新 2009年 12月 22日
 

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