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小池一馬:瞬き
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2009年 12月 11日

≪Blow≫2009年|アクリル、水彩絵具、綿布、木製パネル 1140 x 910 mm|画像提供:hpgrp GALLERY 東京 copy right(c) Kazuma KOIKE

ペインティング、ドローイング、立体作品とジャンルを超えて精力的に作品を発表している小池一馬の新作展。 水彩絵具とインクの滲みを紡いでイメージを創り出すドローイングシリーズが印象的な小池ですが、近年は水彩絵具とメディウムで作ったペーストを、綿布にペンチングナイフで「描くというより、チクチクと載せる」手法で表現するペインティングを制作しています。凹凸を持った画面は様々な方向からの光を反射し、海面のようにうごめき輝きます。紙の向こう側へイメージが浸透することで奥行きを表現していた前シリーズとは反対に、イメージをこちら側へせり出す画面として構築することにより、彫刻的とも言える力強さを獲得しています。「質感に対してのフェティシズム」を感じさせる反復作業はある種の不自由さを招き、それはズレを招くことによって何か未知の領域に触れようとする試みとも考えられます。 本展は、物語の一場面を思わせる4点のペインティングと、求心的イメージの正方形のペインティング4点をメインに構成されます。小池は物語全体ではなく、作品が切り取られた一場面として存在することを意図していると言います。日々の生活で我々が洪水のように浴び続ける様々なイメージの類いではなく、曖昧な記憶や過去をたぐり寄せるきっかけとなり得るイメージを「一場面」として投げかけてきます。制作を未知なる存在との交信手段と位置づける小池初のペインティングのみで構成される本展、この機会に是非ご高覧下さい。 小池 一馬 Kazuma Koike http://kazumakoike.com/
1980 神奈川県茅ヶ崎市生まれ 
1986-92 アルゼンチン、ブエノスアイレスに過ごす
1995-98 スペイン、バルセロナに過ごす
2003 第19回財団法人北野生涯教育振興会彫刻奨学生、日本大学藝術学部美術学科彫刻コース卒業 個展:
2009 「トランス」AISHO MIURA ARTS 、東京、「Juggler」clementsalon*workshop. 、東京
2007 「銀の器」clementsalon*workshop. 、東京
2006 「桃源郷」clementsalon*workshop. 、東京、「個人的なサイン」artist - run space七針 、東京、「円状に囲まれた湖」ギャラリー山口 、東京
2003 「十分な静けさ」ギャラリー青羅 、東京 ※全文提供: hpgrp GALLERY 東京

最終更新 2010年 1月 22日
 

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