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六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 12月 08日

照屋勇賢《告知-森》2005年
紙袋、糊 18 cm×8 cm×28 cm
ソロモン・R・グッゲンハイム美術館、ニューヨーク

「六本木クロッシング」は、東京の中心、六本木ヒルズ最上層の美術館である森美術館が、日本のアートシーンの“明日”を見渡すべく、多様なジャンルのアーティストやクリエイターを紹介する展覧会として2004 年にスタートしました。3 年に一度開催され、毎回異なるキュレーターが、複数の視点により独創的な作品を選出、まさに六本木で、その時代を代表する刺激的な作品が「交差する」、定点観測的な展覧会です。

3 回目を迎える本展には、長いキャリアを持つアーティストから若手注目株まで約20 組が参加し、写真、彫刻、インスタレーション、映像、グラフィティ・アート、パフォーマンスなどを紹介します。金融危機を背景に世界的に将来が見えにくくなっている今日、日本のアートの動向もまた不明瞭ですが、そんな時代にこそ、アートの本質や可能性について考える良いチャンスでもあります。バブル経済崩壊直後に、アーティスト・グループ、ダムタイプの古橋悌二は、同時代的な問題の立て方が困難な1990 年代のアートを考え、「芸術は可能か?」という問いを投げかけました。アートがアートの枠の中に留まらず、社会に影響を与えることにより成立する可能性を問う、この簡潔でいて重要な問いは、社会・経済が再び不安定となった今日、また意義深いものです。

「六本木クロッシング2010 展」は「芸術は可能か?」という古くて新しい問いを出発点に、社会・経済、文化・倫理、環境など現代社会のなかのさまざまな問題を描くアート、閉ざされた個人の内面世界を描くのではなく、他者との協働やジャンルの横断により、新しい可能性を見せるプロジェクト、私たちの日常があるストリートを舞台とする創作活動、そして新しい美学の誕生を予感させる新世代の表現などを通して、シャープでエネルギーに溢れ、力強く明日に挑む日本のアートの今を紹介します。

出品作家
相川 勝、青山 悟、雨宮庸介、宇治野宗輝、加藤 翼、小金沢健人、コンタクトゴンゾ、志賀理江子、鈴木ヒラク、高嶺 格、ダムタイプ、Chim↑Pom、照屋勇賢、HITOTZUKI(Kami + Sasu)、文字図形、森村泰昌、八幡亜樹、横溝 静、米田知子、ログズギャラリー

※全文提供: 森美術館


会期: 2010年3月20日-2010年7月4日
会場: 森美術館

最終更新 2010年 3月 20日
 

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