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ロッテ ライオン:1:2
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 12月 04日

≪untitled≫2009年|photograph|画像提供:青山|目黒

新年第一弾の企画としてLotte Lyon(ロッテ ライオン)の新作展を開催。ロッテは1970年オーストリア.グラーツ生れ。現在はウィーン在住で、ヨーロッパを中心に展示が続く注目の作家です。 ロッテがこれまで制作してきた、ホームセンターで入手出来るパネル材やペンキを用いた彫刻は、ダイニングテーブルやソファ、シェルフなどのプロダクツほどの小さくも大きくもないサイズと、どこまでも削ぎ落とした無機能の贅沢さ、ミニマリズムを踏襲した上での新しい色の判断で、無愛想ながらチャームングな視覚表現を提示しています。

本展のタイトル「1:2」(2分の1)は、彼女が06年に日本で初展示をした弊廊最初のスペース(移転前の前)を訪問した際の印象から着想を得ています。古いマンションの1室、約5畳の部屋を改装した当時のギャラリーの1:2スケールで、その側面には初個展の際に出品した作品と同様に「バーバリーチェック」をアレンジさせたペイントが施された立体作品を発表します。作家は当時の空間の小ささと、その効率の良さに甚く感心して、この展示室と言う機能性を消去すると何が起こるのか、いつか作品にしてみたいと構想していたと話します。

また、2つの写真のシリーズも同様にスケールとサイズの多様性に関するものです。 1つ目のシリーズでは、東京で入手したちょっとしたモノを用いながら、白黒であること、それを立体の様なルールに頼りボリュームを感じさせること、画面からは対象の素性が判断出来ない事で新たな見え掛りを期待します。2つ目は偶然スタジオで見つけたオフィス用チェア、のシリーズです。この数年、モノがコンテクストから脱する事で何が起こるのかを試みている作家にとって、キャスターを一個失した事務用椅子は格好の題材です。

全て新作による立体1点、写真約20点は作家が今年8月から滞在しているオーストリア大使館レジデンスプログラムでの制作の成果になります。 また本展は青山|目黒の最新(少し)リノベーション後、初の展示になります。

■ロッテ ライオンHP: http://www.lottelyon.com/

全文提供: 青山|目黒

最終更新 2010年 1月 09日
 

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