| EN |

松岡圭介:蠢くひとがた
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2009年 11月 18日

≪a elephant man≫2008年| 木、磁石、鉄粉、その他|H.153cm×W.135cm×D.88cm|画像提供:INAX ギャラリー

高さ150cm ほどの分厚く巨大にデフォルメされたひとがた。前に屈んだり、寝転がった姿。固く重々しく張り詰めた褐色のボディの表面は、ザワザワと毛羽立っているように見えます。松岡圭介の作品は、等身大の人体をモチーフにした立体で、見えない内部に無数の磁石が取り付けられ、表面はその磁石によって、放射状に磁場模様を描く鉄粉に覆い尽くされています。磁場がつくる偶然の模様は、繊維とも化学物質とも見紛うような不可思議な質感を持ち、迫力があります。

松岡圭介は1980 年生まれ、2005 年に大学院を修了し、これまでに2008 年「群馬青年ビエンナーレ」など公募展に入賞しています。

松岡は「人間とは何か」という普遍的なテーマをもとに制作をしています。2007 年からは映画にもなった衝撃的な物語「a elephant man」をモチーフに、「人間にとって皮膚とは単なる表面ではなく、存在そのものなのではないか」と考えて制作をしてきました。今展ではこのシリーズの新作を発表します。

肥大化したフォルム、重力と磁気エネルギーを具現化したような圧倒的な存在感を持つ作品を会場にてご覧下さい。

「松岡圭介/ MATSUOKA Keisuke」プロフィール
1980 宮城県生まれ
2003 東北芸術工科大学芸術学部美術科彫刻コース卒業
2005 東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科芸術文化専攻彫刻修了 個展
2002 Gallery & Space AGITT/東京
2005 PROMO-ARTE Project Gallery/東京
2006 ギャラリー山口/東京
2008 galleria grafica bis/東京

コレクション
東北芸術工科大学/山形
あさご芸術の森美術館/兵庫

※全文提供: INAXギャラリー

最終更新 2009年 12月 01日
 

編集部ノート    執筆:小金沢智


ギャラリーに入るとずんぐりとした人のかたちらしき立体が二体。表面の黒々とした質感が不思議で何かと思ったら、立体の内部に磁石が仕込んであり、表面の質感は内部の磁石によりくっ付いている鉄粉とのこと。「ひとがた」とあるように一部(頭部や臀部、局部など)が極端にデフォルメされた「人間らしきもの」は、サイズと質感によって不気味な佇まいを私に見せる。


関連情報


| EN |