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館勝生 1980s-1990s
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2022年 5月 28日

《the final hour is here》 1995 油彩、キャンバス 724×610mm(F20)

この度、Yoshimi Artsは、弊廊にて5回目となる館勝生の展覧会「館勝生 1980s-1990s」を開催する運びとなりました。
コンセプチュアル、ミニマル、ニューペインティングが混在している中で、館勝生は、身体の感覚に一番近いところで出来る絵画を選びました。晩年にあたる2008年まで描き続け、その短い画業の中でも作品は変化していきました。1990年代初めからは、虫と分かるような有機的な存在を用いて描いていますが、それまでの、絵具の色彩と物質感で描いていた抽象絵画とは、それらは一線を画す作品のように思います。
館勝生の実家は養蜂場を営み、館も幼少の頃、花を求めて全国を回るのに同行して、自然の中で四季や朝夕の時間の移り変わりを肌で感じていました。その体験からインスパイアされ、虫を抽象的に描くようになったと聞きます。その後、1990年代中頃の作品になると、虫のようなモチーフが解体されて、絵画の構造が画面全体に立ちあがり、突然出現した球体が宇宙的な空間を作り出します。それが2000年に入ると、激しい生命観を持ったような抽象化された有機体になり、それと共に大きな余白が出現します。その余白が時間を作り出し、時間の中において、浮遊する有機体が激しくも限りある物に見えてきます。また、2006年までの余白部分は淡いパール色で薄く塗られ、少し絵具の物質感がありますが、2007年になると有機体が少し大きくなるのと同時に、余白に絵具を全く塗らなくなっており、時間が流れているようにも、止まっているようにも感じられる空間へと展開しているように思います。
本展は、初期作品にあたる1980年代から一つの達成を得た1990年代までの作品で構成し、2000年代の作品に至るまでの足跡を辿る展示となります。

http://www.yoshimiarts.com/exhibition/20220511_Katsuo_Tachi-1980s-1990s.html

全文提供:Yoshimi Arts


会期:2022年5月11日(水) 〜 2022年5月29日(日)
時間:12:00-19:00 (日 -17:00)
休日:月・火
会場:Yoshimi Arts

最終更新 2022年 5月 11日
 

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