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マーカス・コーツ 展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 11月 02日

Dawn Chorus, High definition video, 20 mins looped. Commissioned by Picture This, UK and funded by Wellcome Trust|画像提供:小山登美夫ギャラリー

コーツの映像作品、インスタレーション、パフォーマンスは、人間と動物に共有された認識やその双方の文化の進化論に関する考察をテーマにしています。鹿など動物の毛皮をかぶった呪術的な儀式のパフォーマンスを通して、人間界を超越した世界とのコミュニケーションを図ります。 コーツは自身のパフォーマンスを記録した映像作品などを通して「別の何者かに変身することで人間である自分の境界を押し拡げ、その可能性を探る」(テート・トリエンナーレ2009カタログ "ALTERMODERN" curated by Nicolas Bourriaud より)と語っています。

展覧会について
本展は、今年6月に大和日英基金アートプライズを受賞した映像作家、マーカス・コーツによる日本で初めての個展です。今回の個展では、Dawn Chorus(夜明けのさえずり)と Intelligent Design (インテリジェントデザイン)を出展します。「夜明けのさえずり」(2006)はコーツの代表作で、鳥の声を解析しその音符を人が再現することによって、人が恰も鳥が囀るように喋るという不思議な映像を、マルチチャンネル・ビデオインスタレーションで展示します。また「インテリジェントデザイン」は、 2008年にガラパゴス諸島にて制作されました。2億5千万年間も存在する最も古い種のひとつであるゾウガメが成功に至らない交尾に立ち向かうという含みのある映像作品です。 本アートプライズ審査委員長を務めたジョナサン・ワトキンス(アイコン・ギャラリー館長)は「コーツは類いまれな視点をもつアーティストに成長しました。現在の彼の作品は、過去のどれにも勝り、素晴らしい」と評しています。 また、大和日英基金事務局長、マリー・コンティヘルム教授は、「エネルギーを感じるコーツの個展は、大和日英基金アートプライズの趣旨、英国アーティストに日本への扉を開くということを実現してくれています」と述べています。

作家プロフィール
1968年ロンドンに生まれ、ケント芸術大学で学び、ロイヤル・アカデミー・オブ・アートで絵画を専攻。現在、ロンドンを拠点に活動を行っています。Workplace Gallery(ゲーツヘッド、イギリス、09年)、ホワイトチャペルギャラリー(ロンドン、07年)などで個展を行うほか、今年のテート・トリエンナーレ2009に参加して話題を呼びました。グループ展では"A Duck for Mr. Darwin"(バルティック現代美術センター、ニューカッスル、イギリス、09年)、"Laughing in a Foreign Language"(ヘイワード・ギャラリー、ロンドン、08年)、"Martian Museum of Terrestrial Art (火星立地球美術館)" (バービカン・アート・ギャラリー、ロンドン、08年)などにも参加しており、国際的に活躍しています。07年には、映像作品"Dawn Chorus" がヴェネツィア・ビエンナーレにて発表されています。 日本では、2006年に越後妻有トリエンナーレの一環として、グライズデールアーツ「七人の侍」プロジェクトに参加。新潟県十日町峠村に約1ヶ月滞在し、東京池袋でもパフォーマンスを披露。その成果はリバプール・ビエンナーレで発表されました。

※全文提供: 小山登美夫ギャラリー

最終更新 2009年 11月 07日
 

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