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THE OUTLINE:見えていない輪郭
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2009年 10月 29日

PHOTO: Tamotsu Fujii

21_21 DESIGN SIGHT では2007 年3月の開館以来、身近なものごとを題材に、人と社会、デザインの関係について、様々な角度から考える企画を行っています。今回のプログラムでは、プロダクトデザインと人、人と日常生活、周囲の関係に改めて焦点をあて、デザインの背景を探る展覧会を開催します。

プロダクトデザイナーの深澤直人は、人と環境との関係に目を向け、私たちが暗黙のうちに描く共通のイメージや期待するものの形を、ぶれることなくデザインしていると言えます。写真家の藤井 保はものをとりまく光と空気を写します。その写真には、ものとその周りの空気、あるいは関係が写り込んでいるのです。二人の作品からは、あたりまえのようで見えていなかった「デザインの輪郭」が浮かび上がります。

本展では、深澤直人のプロダクトデザイン118 点と藤井 保が4 年間撮り続けた写真65 点に、二人の思考や視点に触れられる展示やレクチャーを加え、私たちが普段見えていなかったものに気づく機会をつくりだします。買い物にでかけたり、部屋のレイアウトを考えたりするような日常的な生活の視点からデザインについて考える、心地よい空間もお楽しみ下さい。

※全文提供: 21_21 DESIGN SIGHT

最終更新 2009年 10月 16日
 

編集部ノート    執筆:小金沢智


プロダクトデザイナー・深澤直人のプロダクトと、写真家・藤井保が撮影したそれらの写真を同時に展示する展覧会。私も幾つか使用しているものがあったが、深澤によるプロダクトは一見無機質に見えながら、使うほどそれらが馴染んでくる感触がある。藤井が撮るそれら「デザインの輪郭」は、その感触のようなものがあらわれていて不思議と生々しい。中にはチラシに使われている《B&B Italia 「GRANDE PAPILIO」アームチェア》のように、椅子を撮影したものでありながら、まるでどこかの山を撮ったかのような写真もある。 なお、11月6日から12月5日まで、MA2 Galleryにて藤井の展覧会「BIRD SONG」も開催される。渡り鳥を撮った作品と、プロダクトを撮った作品との差異はあるのだろうか。二カ所に足を運べば、より藤井の仕事の輪郭が明らかになるだろう。


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