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アキバタマビ21 第79回展覧会「できるだけ感情のないように(あるけど)」
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2019年 9月 14日

アキバタマビ21 第79回展覧会「できるだけ感情のないように(あるけど)」

【展覧会コンセプト】
人を描いているのに個人ではない ひとりなのに不特定多数のように
フェイクより現実≒リアルな事物は 遠くて近いけど触れない
とらえなおすは 客観的な見え方と似ている
そんなフィクションドキュメンタリー

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お金持ちの人、貧乏な人、偉い人、死にそうな人。みんなに等しく1日24時間が与えられています。
それをどう使うか、という問題に人は一生悩み続けるのでしょう。
「お腹すいたなあ」「温泉に行きたいなあ」と思っても戦っているからすぐには行けません。
サムライ時代も令和時代も、集団行動中は1 個人の感情をフラットにして汗を流して働いています。
夢や希望とか、失敗や学びとか。
できるだけ感情のないように戦う(あるけど) (安齋歩見)


人を描くのではなく、人そのものをみせるように制作してきました。
多面的な感情を持った人物そのものを作り上げるために、平面上に姿かたちを描くだけでなく、その人物が書き残した文字や過ごしていた場所をセットとして演出することをしています。
人の生き方や考え方を表現する上で、作者である私の感情は介入しないように気をつけています。 (大坂秩加)


見つめる人物の顔。私は無表情な人物に思いを込めて描いています。
喜び、驚き、悲しみ、怒り、後悔、、、。人はいくつの感情を持っているのでしょうか。
絵の中の人物は人と人の感情が行き来する中で、それらを理解しようとするから分からなくなっています。
私はその人物と対話しながら、深いところにある感情をとらえようと制作をしています。 (川村紗耶佳)


どうしようもなく心が揺れる時、他者に表情や動作で気取られない様にニュートラルなものにしたいという気持ちがあります。
感情はその場に、あるけど、関しないふりをしてみる。誰でも密かに持っているそのような気持ちを拾って制作をしています。
作品と対面する事で、本質は外面や動作ではなくその者のニュートラルな状態を見つめる事で垣間見ることができるのではないかと思っています。 (波能かなみ)


【出品者 略歴】
○安齋 歩見 ANZAI Ayumi
2009 女子美術大学 卒業
2014 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コース 修了
日々の生活や人の行動には滑稽な点があり、それらを真似することで世の中の成り立ちを少しは理解することができるのかもしれない、そう思ったことが制作の出発点です。

個展(JINEN GALLERY/東京/2016・2018・2019)
パブリックコレクション(町田国際版画美術館/武蔵野美術大学美術館/シラパコーン大学/テネシー大学/アントワープ王立美術アカデミー/アルバータ大学/あきる野市/青森市/沖縄佐喜眞美術館/金沢湯涌創作の森)



○大坂 秩加 OSAKA Chika
2009 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
2011 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程 修了

版画、油彩、水彩など技法にこだわらず制作し、モチーフとしている短い言葉と合わせて作品を発表。近年では、演劇的なインスタレーションで作品を見せることに関心を強め、個展を一つの舞台のように展開している。

個展(シロタ画廊/2010、GALLERY MoMo/2011.13.15.16.18、MICHEKO GALERIE/2015、アートゾーン神楽岡/2018)
主な展覧会(シェル美術賞展/2010、VOCA展/2014、プリントって何?-境界を超えて/2014、第2回 PATinKyoto 京都版画トリエンナーレ/2016)



○川村 紗耶佳 KAWAMURA Sayaka

2013 京都精華大学メディア造形学科版画コース 卒業
2015 多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻版画研究領域 修了

記憶をテーマに制作しています。頭の中に残るいくつもの風景、どこか懐かしい誰でもない誰かに重ねてその記憶を集めては和紙に摺り取り、私なりの記憶を残す作業をしています。

個展(養清堂画廊/2017・2019、Gallery SATORU/2018、ギャラリー恵風/2018、アートギャラリーミューズ/2017)
パブリックコレクション(多摩美術大学美術館/町田国際版画美術館/鹿沼市立川上澄生美術館/いの町紙の博物館/上海半島美術館)



○波能 かなみ HANO Kanami
2015 武蔵野美術大学 油絵学科版画専攻 卒業
2018 東京藝術大学大学院美術研究科版画研究室修士課程 修了

一見、感情をあらわにしないニュートラルな状態に見える人物を、木版画の技法で和紙の中に染み込ませ像を作ることで、そこに現れるその人物の「存在」やオーラを描いています。

個展(こころのす。/Gallery楽風/2016、まざると、ゆらぐ。ふれるとうつろう。/Gallery美の舎/2018)
パブリックコレクション(鹿沼市川上澄生美術館/高知県立美術館/町田市立国際版画美術館)


【展覧会詳細】
「できるだけ感情のないように(あるけど)」
2019年9月16日(月祝)~10月20日(日)
12:00~19:00(金・土は20:00 まで、最終日は17:00まで)
火曜休場



【イベント】
●トークショー 10月13日(日)15:00~16:30
ゲスト:栗田秀法さん(美術史家)
人を描くこと、感情を描くことについて出品作家とクロストークを行います。

栗田秀法(くりた・ひでのり)
愛知県美術館主任学芸員、名古屋芸術大学美術学部准教授を経て、現在、名古屋大学大学院人文学研究科教授。
専門は、フランス近代美術史、日本近現代美術史、美術館学。

●レセプションパーティ 10月13日(日)17:00~


【展覧会場】
アキバタマビ21
〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 201・202
電話:03-5812-4558
URL: http://www.akibatamabi21.com
アクセス:
東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩1分
東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分
都営大江戸線上野御徒町駅A1番出口より徒歩6分
JR御徒町駅南口より徒歩7分
JR秋葉原駅電気街口より徒歩8分

※「アキバタマビ21」は多摩美術大学が運営する、若い芸術家たちのための作品発表の場である。ここは若い芸術家たちが、互いに切磋琢磨しながら協働し共生することを体験する場であり、他者と触れ合うことで自我の殻から脱皮し、既存のシステムや権威に依存することなく自らをプロデュースし自立していくための、鍛錬の場でもある――そうありたいという希望を託して若い芸術家たちにゆだねる、あり得るかもしれない「可能性」の場であり、その可能性を目撃していただく場所である。

http://www.akibatamabi21.com

全文提供:アキバタマビ21


会期:2019年9月16日(月) 〜 2019年10月20日(日)
時間:12:00~19:00(金・土は20:00 まで、最終日は17:00まで)
休日:毎週火曜日
会場:アキバタマビ21

最終更新 2019年 9月 16日
 

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