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谷川夏樹:ISLANDS IN BLOOM
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 10月 18日

≪Haleakala Hwy.I (Haleakala National Park, Maui)≫2009年|oil on canvas|1303×1621mm|画像提供:ギャラリー新居 copy right(c) Natsuki TANIGAWA

大阪本店では2回目となります「コンテナくん」こと谷川夏樹の個展。 従来の「コンテナくん」が登場する油彩風景画に加え、今回はマウイ島など南の島で出会った草花をモチーフとした新作も合わせ約30点を展示いたします。 また、スカイブルーの特殊蓄光顔料を用いた作品も展開。室内照明を消すと同時に月明かりに照らされたように幻想的な光を放ちます。 アロハスピリット溢れる癒しの世界を、どうぞお楽しみください。

作家コメント
この数年間、南国の草花が僕の絵心をくすぐりつづけている。なかでもマウイへの旅は決定的であった。おそらく、この島には実に多様な対比-コントラスト-が凝縮され、それが自分自身のなかに眠っていた自然への感覚を呼び覚ますからであろう。その源となっているのが、島を構成する2つの大きな山だ。

「太陽の家」と名付けられたハレアカラ山は標高3000mを超え、頂上付近には銀剣草が根を下ろしている。東山麓には一年を通じて貿易風が雨をもたらし、熱帯雨林を形成している。水分をおとした風は、ジャカランダやプロテアの咲く西山麓を吹き抜ける。そして山裾から海にかけてはサトウキビ畑がひろがっている。

いっぽうウエストマウイマウンテンに目をむけると、東側のイアオ渓谷が厚い雲をたくわえている。西山麓の荒涼とした草原では時折雲が発生し雨を降らせたかと思うと、突然目の覚めるような虹が現れたりする。海岸沿いのリゾートには、プルメリアやハイビスカスなどトロピカルフラワーが鳥たちの憩いの場となっている。

ハワイには古代から伝わるクムリポという神話があり、太陽と月、天と地、東と西といった対の概念があるそうだ。この自然界のコントラストを表現するために、表紙・裏表紙の作品ではブルーの蓄光顔料を用いた特殊な技法に挑んだ。ひとつの作品が闇と光で見せる異なる表情を、ぜひ体感いただきたい。

作家略歴 谷川夏樹
1976年生まれ、兵庫県在住。13才から独学で油絵を描き始める。関西学院大学卒業後、企業でアートディレクターを勤めるかたわら制作に励む。2000年から屋号をEARTH CONTAINER としてコンテナをテーマとした作家活動をはじめる。油彩による平面作品と平行して、実物のコンテナに「コンテナくん」の顔をペインティング。世界を旅する本物のコンテナくんを通じてアートと社会の関わりについての可能性を探っている。http://kontena.net/ 2007年 東急文化村ギャラリー(渋谷) "BAS-Bunkamura Art Show"、ギャラリー新居(東京店)個展
2008年 ギャラリー新居(大阪店)個展、アジアトップギャラリーホテルアートフェア(東京)、東京コンテンポラリーアートフェア 、その他、個展多数。 著書 : 2001年 作品集『EARTH CONTAINER#1 -コンテナくん見た?』 、2007年 絵本"AloAloha!"コンテナくんハワイの旅/(新風舎)、2008年 TRANSPORT/(ギャラリー新居)、2009年 おおきなポケット11月号「コンテナくん」(福音館書店) 本の表紙装画 :2009年8月 「夏への扉」(ハヤカワ書房)、装丁:鈴木成一 ※全文提供: ギャラリー新居

 

最終更新 2009年 11月 04日
 

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